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業界初、CATVの同軸インフラを巻取り光ファイバインフラへの移行を加速させるソリューションを開発【古河電工】

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 古河電気工業は7月27日、イッツ・コミュニケーションズ、およびミハル通信と、ケーブルテレビの同軸インフラを効率的に巻取り、光ファイバインフラへの移行を加速させるソリューションをCATV業界において初めて開発したと発表した。今年1月~4月にかけて、共同で実証実験を行ったという。

 今回開発された技術は、CATV事業者で採用されているHFCシステムからFTTHシステムへ移行する際に、HFCサービス加入者の都合により移行が進まないエリアに対して適用可能なソリューションだ。
 HFCシステムは、光信号と電気信号を変換する光電変換装置と電気信号のレベルを増幅するための高周波増幅器、そしてこれらに停電時でも電源を供給するための無停電電源供給装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)が多数設置されており、保守費用や電気代等が事業者にとって大きな負担となっている。
 今回開発されたシステムでは、FTTH伝送路の最終段に専用光受信器を配置し、AC100V給電による運用を可能とすることで、無停電電源供給装置の撤去が可能となる。また、加入者宅への同軸引込線は既存設備を流用できるため、工事面の負担も軽減される。さらに、光受信器を死活監視するオプションを追加し、保守・運用面の強化も可能だ。
 加えて、FTTHシステムを導入してもCATVの同軸インフラの巻取りが進まないとインフラを二重で運用しなければいけないという課題に対し、今回開発されたソリューションは最終段の同軸引込線と分配器のみを残してFTTHシステムへの切り替えが可能となるため、円滑な移行が実現できる。