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ジュニパーのMXシリーズが、SINET 6の日本全国70拠点を400Gbps網でつなぎ、安定的かつ高性能な情報通信基盤を実現

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 ジュニパーネットワークスは9月30日、NIIが運営する学術情報ネットワークSINET 6の情報通信基盤に、ジュニパーネットワークスのソリューションが採用されたことを発表した。
 これにより、SINET 6は国内接続網における400Gbps化、接続拠点の増設、冗長性とセキュリティの強化を実現した。

採用の背景
 NIIが構築・運営するSINET(Science Information NETwork)は、日本の最先端学術情報基盤構想の中核に位置づけられ、全国の大学・研究機関が共同で活用している情報通信ネットワークだ。
 現在では、日本全国の900を超える大学や研究機関の情報通信基盤として300万人以上のユーザーを接続し、米国・欧州・アジアの研究ネットワークと連携しながら国際的な先進研究プロジェクトを支えている。
 1992年に最初のSINETが整備されて以来、4~6年ごとの更新のたびに最先端技術や画期的な手法を取り入れながら高速で信頼性の高いネットワーク環境を実現することで、国内外の共同研究や遠隔教育を支援してきた。

 昨今では、データ量の爆発的な増加と、データ分析のニーズ拡大により、より高速・広帯域かつ使いやすいサービスが求められるようになっている。また、小中高校を含む教育分野でもSINETを応用しようという動きが活発化しており、GIGAスクール構想やSociety 5.0 においてもSINETの活用が期待されている。
 こうしたニーズに対応するため、NII は10年以上にわたるジュニパーネットワークスとの連携をもとに、SINET 6でジュニパーネットワークスの400Gbps光伝送や5Gモバイル、ネットワーク仮想化(NFV)などの最先端技術を採用することを決定し、ルータネットワークに「MXシリーズユニバーサルルーティングプラットフォーム」と「ACXシリーズユニバーサルメトロルーター」を導入したという。

採用の基準・成果
 今回の採用により、SINET 6では接続拠点数を約1.5倍の70に増設し、同時にジュニパーネットワークスのJunos OSが提供する新技術「PWHT(PseudoWire Headend Termination)」を活用することで、ルータを二重化する代わりに小型回線多重装置「ACXシリーズ」を設置、コストを抑制しつつ接続拠点におけるアクセス回線の冗長化による信頼性向上を実現した。またサイバー攻撃対策として、ジュニパーとCoreroのDDoS攻撃防御ソリューションと「MXシリーズ」と連携させ、高速・低負荷・高精度で攻撃トラフィック検知・防御を可能にした。

学術情報ネットワークSINET 6

 SINET 6は2022年4月から本格運用を開始した。今後はこれまで以上に広範囲な研究・教育への活用が検討されており、ネットワークサービスとしてさらに進化していくことが期待されている。次期SINET 7では、加入者の増加とともに多様化するニーズに対応するために、ネットワーク運用の効率化・自動化にも取り組んでいく予定だという。

 国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 准教授 学術ネットワーク研究開発センター 副センター長 博士(工学)の栗本 崇氏は「最新かつ最先端のSINETを実現するために、ジュニパーネットワークスにご協力いただき大変嬉しく思っている。ジュニパーのソリューションは、SINET6としての要望を十分に考慮して頂いたもので、先進的な研究やデジタル学習体験の実現を可能にした。今後何年にもわたって、日本の研究・教育機関を支えていく強力な基盤になると確信している」とコメントを出している。

 ジュニパーネットワークスの代表取締役社長 古屋 知弘氏は「日本の研究・教育を支える最先端の学術情報基盤に、ジュニパーのソリューションを全面的に採用いただき大変光栄に思っている。NII様は400Gbpsという先端技術を採用しつつ、コスト効率に優れ、高い信頼性を確保するネットワークを当社のソリューションで実現された。今後もジュニパーネットワークスは、最先端のネットワーク技術・製品の開発と提供を通じて、SINETの安定的な稼働や進化を支えていく」とコメントを出している。