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エクイニクスが、企業のAIワークロードを強化するため、45以上の主要市場でダイレクトチップ液体冷却技術のサポートを拡大

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 エクイニクスは12月11日(カリフォルニア州レッドウッドシティ)、ダイレクトチップのような先進的な液冷技術のサポートを、世界45都市以上の100カ所を超える International Business Exchange(IBX)データセンタに拡大する計画を発表した。(本抄訳は、12月13日に日本法人が発表。情報提供:PR TIMES)

 これにより、エクイニクスはほぼすべてのIBXでラック内熱交換器による液体から空気の冷却をサポートすることが可能になる。今回の拡大によって、より多くの企業が、AIなどの計算集約型ワークロードをサポートする強力かつ高密度なハードウェアに、最も高性能な冷却技術を使用できるようになる。

 IDCのクラウド・トゥ・エッジ・データセンター・トレンドのリサーチ・ディレクターであるショーン・グラハム氏は「AIのようなデータ集約型のハイコンピューティング アプリケーションに対する需要は増加している。このような新しいアプリケーションを実行するために必要なハードウェアはデータセンタ内の密度を上昇させるため、従来の技術では効率的に冷却できなくなった。企業や組織からの液冷ソリューションに対する需要が高まるなかで、エクイニクスのようなデータセンタプロバイダには次世代の冷却ソリューションのサポートが求められる」とコメントを出している。

 ロンドン、シリコンバレー、シンガポール、ワシントンDCを含む45以上の主要都市でダイレクトチップ液体冷却技術を商用化しているため、ミッションクリティカルなニーズに対応する高度な液冷ソリューションをユーザにとって最も重要な市場での導入が可能になる。エクイニクスは、Platform Equinixのパートナーおよびプロバイダからなるエコシステムへの直接のアクセスを提供しおり、「このアプローチを継続することで、次世代の液冷設計を進化する能力をもつデジタルリーダーたちを支援していく」との考えを示している。

 エクイニクスのグローバルコロケーション担当バイスプレジデントであるティファニー・オシアス氏は「液体冷却は、新しいテクノロジーを実現する強力で高密度のハードウェアを冷却する方法としてデータセンタに革命をもたらしており、エクイニクスはそのイノベーションを推進している。私たちは長年にわたり、様々な規模や密度の大規模な液冷システムを導入する企業を支援してきた。エクイニクスは、AIなどのアプリケーションに必要な複雑で高度な最新のITの導入をサポートするために、データセンタのキャパシティを革新する企業を支援する経験と専門知識を有している」とコメントを出している。

 エクイニクスは、ユーザが最も効率的なソリューションを利用できるよう、ダイレクトチップ、液浸、リアドア型熱交換器などの主要な液冷技術をサポートしている。さらに、エクイニクスはベンダ ニュートラルなアプローチを提供し、ユーザが希望するハードウェアプロバイダを利用できるようにしている。

 ダイレクトチップは、サーバ内のチップの上にコールドプレートを配置する独自のアプローチだ。このコールドプレートには液体の供給と還流の経路があり、技術的な冷却液がプレート内を流れることで、チップから熱を取り除く。これにより、ダイレクトチップ対応のサーバは、革新的な冷却技術で冷却されながらも、従来の空冷装置と同様に標準的なITキャビネットへの設置が可能だ。リアドア型熱交換器は、冷却コイルとファンを使用してIT機器から熱を取り込む。これらはお客様のキャビネットに直接取り付けられるため、従来の冷却よりも高い冷却負荷を管理できる。

 SSIAの会長 兼 エクイニクスのフィールドCTOであるマイ・チュオン氏は「液体冷却は、Open19 V2仕様の開発において最も重要な課題だった。Linux Foundationの下で運営されているOpen19プロジェクトの目標は、サーバ、ストレージ、ネットワーク用のあらゆる19インチラックに適合するオープンスタンダードを作成することだった。このプロジェクトは、デジタルリーダーが多様なベンダのハードウェアを、効率的かつ持続的に、どのようなデータセンタ環境でも利用できるようにするものだ。エクイニクスの液体冷却における技術とベンダーニュートラルなアプローチは、企業向けデータセンタにおける先進的な液冷ソリューション導入の障害を取り除く仕組みだ」とコメントを出している。

 CoolIT SystemsのCEOであるスティーブ・ウォルトン氏は「次世代チップやその他のAIインフラストラクチャに対して、従来の空冷アプローチだけでは十分ではない。液体冷却は、エネルギーを節約しデータセンタの効率的な運用を支援しながら、より優れたパフォーマンスを提供することができる。エクイニクスの最先端のデータセンタは、お客様が先進的なCoolIT Systemsの液冷技術を導入するための理想的な環境を提供し、ミッションクリティカルなデジタルインフラの最適な回復力、エネルギー効率、信頼性を保証する」とコメントを出している。

 ZutaCoreの共同創業者 兼 CEOであるエレズ・フライバック氏は「データセンタが急速に進化するコンピューティングの世界に対応するためには、効果的な冷却ソリューションが不可欠だ。私たちは、液体冷却が次世代のデジタルインフラをサポートするうえで重要な役割を果たすと信じている。ZutaCoreは、エクイニクスのCo-Innovation FacilityやEquinix Metalの展開において同社と提携し、次世代の液冷ソリューションの開発、運用、テストを大規模に支援してきた。エクイニクスが液冷対応のデータセンタの数を拡大し、水を利用しない(液体の沸騰による気化熱を冷却に活用し、液体に戻す完全閉ループの高効率な『二相式』)液体冷却を使用して顧客のワークロードを最適化することで、ゼロエミッションのデータ産業を推進することを期待している」 とコメントを出している。