シスコが、プライムプラネットエナジー&ソリューションズのマザープラント工場ネットワーク標準化と次世代基盤を構築
DX/IoT/AI 無料シスコシステムズ(以下、シスコ)は4月16日、日本の大手車載用電池メーカーであるプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)の「マザープラント」と位置づけられている姫路工場における工場ネットワーク標準化プロジェクトにおいて、Cisco Catalyst IEスイッチおよびCisco Identity Services Engine(ISE)などのソリューションを提供し、生産体制および将来のAI・データ活用を支える次世代ネットワーク基盤の構築を支援したと発表した。
シスコは「電気自動車(EV)の世界的な普及に伴い、車載用リチウムイオン電池の需要が急増する中、PPESでは生産体制の構築と生産ラインの標準化を重要な経営課題として掲げてきた。本プロジェクトは、その一環として進められたものだ」と説明している。
PPESの姫路工場は、今後国内外に展開する新規生産ラインの「マザープラント」として整備された。その標準化の範囲には、生産設備を支える工場ネットワークも含まれている。電池製造工程では、高速生産・多頻度検査に伴う大量データ通信、24時間365日稼働を前提とした高可用性、ならびにOT(Operational Technology)環境のセキュリティ確保が求められる。さらに、将来的なOTデータの活用やクラウド連携を見据えた拡張性も重要な要件だった。
導入効果
本取り組みにより、PPESは以下を実現した。
・今後の大規模かつ安定的な生産体制を支える新ネットワーク標準を確立
・拠点展開時の立ち上げを迅速化し、需要拡大に機動的に対応できる
・トラフィック監視による予兆把握でネットワークトラブルの原因特定を迅速に行えるOTデータを安全に活用可能な基盤の構築
現在、姫路工場の次世代ネットワーク基盤はすでに稼働を開始しており、標準化された構成により運用の属人化解消および安定稼働が進んでいる。
本プロジェクトは、シスコがグローバルで推進するCountry Digital Acceleration(CDA)プログラムの一環として位置づけられており、先進的なAI・ICT技術を活用したスマートファクトリー化を推進するものとなる。PPESは、本プロジェクトを通じて、今後国内外に展開する生産拠点の基準となるネットワーク標準仕様を確立した。また、シスコは、スマートファクトリー分野に強みを持つ岡谷鋼機と連携し、構想・設計段階から本プロジェクトに参画した。
主な特長
【高可用性設計】産業用途向けのCisco Catalyst IEスイッチを採用し、リングトポロジーによる冗長構成を実装。単一障害点を排除し、経路障害時も通信を継続できる高可用性を確保した。
【セキュリティ強化】Cisco ISEにより接続デバイスの可視化とアクセス制御を強化。さらにゾーン分割とiDMZ(Industrial DMZ)を導入することで、OTとIT間の安全なデータ連携を実現した。
【トラフィック最適化設計】通信要件の厳しいプロトコルは個別環境として整理し、画像データなど大容量通信は幹線と分離。優先度制御を実装することで重要通信の安定性を確保している。
今後の展望
PPESは、「マザープラント」で確立した次世代ネットワークの設計思想と技術仕様を事業拡大時に展開していく。標準仕様の確立により、需要拡大に機動的に対応できる体制が整った。
シスコは「本ネットワークは単なる生産基盤ではなく、データ活用基盤でもある。クラウドとのシームレスな接続を活かし、生産・設計・解析データを統合したAI活用や高度なデータ分析を推進する。これにより、非正味作業の削減や意思決定の高度化を図り、より付加価値の高い業務へのシフトをめざす」とし、「シスコは今後も製造業における安全かつ拡張性の高いネットワーク基盤の提供を通じ、日本企業のデジタルトランスフォーメーションおよび持続可能な生産体制の構築を支援していく」との考えを示している。
各社からのコメント
プライムプラネットエナジー&ソリューションズのバリューイノベーション本部 デジタルイノベーション部 戦略・基盤統括室 主査である寺島 純平氏は「車載用電池の需要急増に対応するため、姫路工場を高容量電池の『マザープラント』と位置づけ、ネットワーク標準を確立した。シスコのソリューションは大量データと連続稼働を支える高い信頼性があり、将来のAI活用に向けた強固な基盤となる。マザープラントで確立した工場ネットワークシステムを標準仕様とし、事業拡大時に展開していく」とコメントを出している。
岡谷鋼機の豊田本部 豊田支店 工具機械室 プロジェクトリーダーである笠原 康平氏は「PPES様の次世代生産ライン構築に参画でき光栄に思っている。シスコの検証済みデザインをベースに、電池製造特有の要件やセキュリティを考慮した、可用性の高いネットワークを実現した。岡谷鋼機と岡谷システムが一丸となって設計から運用まで一貫した支援を行い、標準仕様の策定に貢献することができた。今後も同社のグローバル展開を全力でサポートする」とコメントを出している。
Country Digital Acceleration(CDA)プログラムについて
シスコは2015年から、戦略的に重要な国々に対して中長期的なコミットメントと投資を行い、各国の政府・自治体・産業界らと連携しながら、デジタル技術化を通じた社会課題の解決や新たなビジネス創出に貢献することを目的とした「Country Digital Acceleration(CDA)」プログラムを推進している。日本では2019年に本プログラムを開始して以来、政府機関や産業界と協力し、新たなビジネス機会を創出し、より包括的で持続可能な未来の実現に向けた取り組みを進めている。








