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ネットワークマスタシリーズ MT1000A/MT1100A機能強化

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ネットワーク開通試験を1アクションで実現 ネットワークの建設・保守を容易に

 アンリツは5月16日、通信ネットワーク用測定器 ネットワークマスタプロ MT1000A/ネットワークマスタフレックス MT1100Aの機能を強化、MT1000A/MT1100Aの自動試験機能を実装したと発表した。あわせてシナリオ編集環境キット MX100003Aを開発、5月下旬より同社Webサイトから無償でダウンロードできるようにするという。

 MT1000A/MT1100Aは、イーサネットをはじめOTNやSDH/SONET、ファイバチャネル、CPRI/OBSAIなどさまざまな通信ネットワークの開通で使用される測定を1台でサポートするトランスポートテスタ。
 通信ネットワークの開通現場ではBER測定、スループット測定、遅延測定などさまざまな測定が要求される。MX100003Aは、これらの測定手順を編集しMT1000A/MT1100A専用の自動試験ファイルを作成できる。この試験ファイルを使用すると、開通現場で試験項目や設定手順を追うことなく、測定開始から合否判定、レポート作成までをボタン1つで実施できる。さらに、1日で何度も同じ試験を行う場合も、事前に試験回数を指定でき作業者の操作ミスや試験漏れを防ぎ、作業負荷の軽減を実現する。

開発の背景

 通信ネットワークは、通信事業者の携帯電話基地局設置や、データセンタ建設のための光ファイバ敷設などさまざまに広がっている。また、コア、メトロ、アクセス、モバイルバックホール、モバイルフロントホールなどに分かれ、それぞれで固有のネットワーク技術が使われている。このため複雑化した通信ネットワークは、開通作業者に高度なスキルを要求する結果となった。
 アンリツは、通信ネットワークの開通作業を1台で試験できる測定器としてMT1000A、MT1100Aを販売している。すでに購入しているユーザのために、開通試験時に起こる具体的なミスを軽減する方法として、自動試験機能を開発したという。
 また、自動試験機能で使用する試験ファイルは、MX100003Aで容易に作成できる。対象のMT1000A/MT1100Aに試験ファイルをコピーすることにより、自動試験環境が構築され、作業者の操作ミス、試験結果のレポート作成など、現場作業の手戻りを防ぐことができる。MX100003Aは無償でダウンロードすることができるためMT1000A/MT1100Aを所有するユーザは、すぐに自動試験環境を構築、試験が可能だ。

製品概要

 MT1000AおよびMT1100Aの自動試験モードは、ソフトウェアバージョンv5.03以降から使用できる。MX100003Aを使用して作成したシナリオをMT1000AまたはMT1100Aへコピーすることにより、1クリックで自動試験が実施できる。
 MX100003Aは、MT1000AおよびMT1100Aで行う試験ファイルを作成するソフトウェアだ。GUIベースで試験ファイルを作成することができ、設備の結線などが必要な場合、写真や注意事項をあらかじめ試験ファイルに記載しておくことにより、現場作業者は迷わず試験ができる試験ファイルを作ることができる。また、試験結果の合否判定基準を試験ファイルに埋め込むことにより、作業者の負荷を削減できる。

MT1100A(左)とMT1000A(右)

MT1100A(左)とMT1000A(右)