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富士通とオラクル、クラウドビジネスの加速に向けて戦略的提携

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富士通の国内データセンタから日本企業とその海外拠点にOracle Cloudを提供

 富士通と、オラクル・コーポレーション(以下、オラクル)、日本オラクル(以下、日本オラクル)は7月6日、日本企業、および日本企業の海外拠点への高性能・高信頼な世界最高水準のクラウド提供に向けた新たな戦略的提携を行うことで合意したと発表した。
 富士通とオラクルは新たな戦略的提携に基づいて、富士通の国内データセンタに「Oracle Database Cloud Service」や「Oracle Human Capital Management (HCM) Cloud」をはじめとするオラクルの「Oracle Cloud Platform」や「Oracle Cloud Applications」の環境を設置する。このクラウドを、富士通から日本企業、およびその海外拠点に販売し、ユーザのエンタープライズ・システムのクラウド移行を支援する。
 具体的には、「Oracle Cloud」を富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5(以下、K5)」と連携させ、ユーザのITとビジネスに求められる高性能なクラウド環境を提供する。特に、富士通の国内データセンタに「Oracle Cloud」環境を設置することで「K5」とデータセンタ内接続を実現し、エンタープライズ・システムで求められるクラウド環境を提供する。また、「Oracle Cloud Applications」の第一弾として、「Oracle HCM Cloud」を提供する。なお、富士通は、「Oracle HCM Cloud」の社内利用を開始し、これを通じて得た知見やノウハウを、ユーザへのサービス提供に積極的に活かしていくという。
 富士通執行役員専務 デジタルサービス部門長兼CTOの香川進吾氏は「富士通は、お客様のデジタル革新を支えるデジタルビジネスプラットフォーム『MetaArc(メタアーク)』を展開し、ユーザシステムの最適化とビジネス拡大への貢献を目指している。特に、『MetaArc』の中核サービスである『K5』は、SoE(Systems of Engagement)に加え、SoR(Systems of Record)領域にも対応したクラウドサービスだ。一方『Oracle Database』は、国内データベース市場で圧倒的なシェアを占め、SoR領域における強みを持っている。今回、富士通の『MetaArc』、『K5』のさらなる強化に向けて、オラクルと戦略的提携をすることで、お客様のクラウドファーストニーズに応えていく」とコメントを出している。
オラクル・コーポレーション チーフ・コーポレート・アーキテクトのエドワード・スクリーベン氏は「クラウド・コンピューティングがもたらす事業成長の可能性を実現するために、企業は高いセキュリティを備えた高性能・高信頼なクラウド・ソリューションを必要としている。富士通とオラクルは30年以上にわたって培った協業による開発体制、製品販売体制、グローバル連携を通じて、お客様の事業の規模拡大、競争力の強化を推進することができるようになる。今回の戦略的提携により、日本国内企業、および日本企業の海外拠点が包括的なクラウドを利用し、クラウドへの移行を容易に実現する」とコメントを出している。
 日本オラクル 取締役 代表執行役社長 兼 CEOの杉原博茂氏は「今回の戦略的提携により、日本企業が新たなデジタル・トランスフォーメーションを推進し、標準化・近代化・グローバル化へと導く機会を提供する。他のクラウド・プロバイダと明確に差別化された、真のエンタープライズ・クラウド・サービスを提供すると同時に、日本のお客様は新たなクラウドの時代において最先端のテクノロジーを享受することができる」とコメントを出している。
 富士通とオラクルは、「K5」や「Oracle Cloud」などの革新的なソリューションを連携させることにより、従来は高い性能や信頼性を確保するために主にオンプレミスで構築されてきた基幹業務システムについても、富士通データセンタ内のクラウド環境で実現する。さらに、富士通の国内最高水準を誇る最新鋭のデータセンタから「Oracle Cloud」を提供することで、富士通の「K5」、およびホスティングサービスのユーザとデータセンタ内接続によるシステム連携が可能となり、より安心・安全なクラウドサービスが利用できる。