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次世代通信技術&ソリューション展「COMNEXT」が7月末に開催。光通信、5G/6G(材料、高周波部品)、ネットワーク設備・配線施工、ローカル5G、映像伝送、AI・IoTのキーパーソンが一堂に会する国際商談展の魅力を探る【RX Japan】

INTERVIEW 有料

 今年で25回目の開催を迎えるアジア最大級の次世代 光通信技術の専門展「光通信 World (FOE)」が、次世代通信技術&ソリューション展「COMNEXT」の一角として7月30日~8月1日の日程で東京ビッグサイトにて開催される。(主催:RX Japan)
 「COMNEXT」は、光通信技術、5G/6G通信技術(材料、高周波部品)、ネットワーク設備・配線施工、ローカル5G、映像伝送、AI・IoTソリューションの6つのWorldで構成される展示会であり、世界中から最新製品や技術、情報を求める来場者が集まる国際商談展となっている。
 事務局は「各Worldは、それぞれが特定の分野に特化した専門展となるが、例えば光通信×エッジAI、光通信×ローカル5Gといったように、市場では各分野のクロスオーバーが進んでいるので、これらを一堂に会したCOMNEXTは、今の業界の流れに合致したビジネスマッチングの場であると自負している」と話す。

 今回のインタビューでは、「COMNEXT」事務局長の土屋勝利氏から、展示会の概要や見どころについて話を聞いた。
(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

COMNEXT事務局長の土屋勝利氏

OPTCOM:今回の開催規模や新たな試みを教えてください。
土屋事務局長:
出展社数は前回を上回る200社で、来場者数は1万3千名を見込んでいます。新しい要素としては、ネットワーク設備・配線施工が新設のWorldとして追加されました。また、5G/6G通信技術World内に高周波技術ゾーンを新設しています。
 会期中は、通信と親和性のある宇宙ビジネスの展示会である「SPEXA -【国際】宇宙ビジネス展-」も開催されますので、両展示会で東京ビッグサイト南館の全館を使うという大きな規模のイベントになります。

――:COMNEXTの特長を教えてください。
土屋事務局長:
COMNEXTは、もともと光通信のイベントであるFOEからスタートしたので、やはり光が中心となった通信技術の総合展示会という位置づけが非常にユニークなところだと思っています。FOE が始まった頃は固定通信網の整備というイメージが強かった光通信ですが、現在ではCOMNEXTが扱う各Worldと密接に関係しています。

 カメラ・センサ・IoT機器が取得したデータを、近くのサーバや端末でリアルタイムに解析するエッジAIでは、エッジとクラウドの間における高速・低遅延・安定した通信回線として光通信が重要となります。光通信とエッジAIの組み合わせは、スマートファクトリー、スマートシティ(信号制御、異常検知、避難誘導)、自動運転のインフラ連携(V2I)、遠隔医療、遠隔操縦ロボットにおける進化の源と言えます。
 ローカル5Gでは、光通信を組み合わせることで相互補完ができ、無線の自由さと有線の安定性を両立できます。
映像伝送では、放送のIP化や、ライブ・医療・遠隔操作など低遅延で安定した光通信ネットワークの需要が有ります。
 モバイルインフラにおいて光通信の重要性は世代が進むごとに増しており、5Gはもちろん、6G時代においては更に重要な通信インフラ基盤になると期待されています。
 新しい環境ということでは、従来の地上基地局だけでなく、衛星やHAPS(高高度プラットフォームステーション)などを活用し、海や空、宇宙など、様々な場所を繋ぐNTN(非地上系ネットワーク)でも、光通信は高速大容量通信を実現する技術として期待されています。
 
 こうした様々な通信方式が連携していく時代において、個々の通信方式のみに特化した展示会の単独開催ではなく、これらを一堂に会してお見せできる総合展であることは、ご来場いただく方々にご自身のビジネスの拡張性のヒントをご提供できるイベントでもあると自負しています。
 また、そうしたCOMNEXTの良さを拡張するため、今年は光通信を中心とした交流会も検討しています。やはり、通信・放送という枠組みの中で、これまで独立していた各方式のクロスオーバーもビジネスとして広がっている現在、一社だけで補完することは難しく、パートナー企業の必要性はより高まっています。ですので、会場にお集まりいただいた、来場者、出展社、セミナー講師、アドバイザリー・コミッティーの皆さんが、1対1ではなく複数で交流できる場というのは、今後のエコシステム構築に向けて重要だと考えています。

――:通信業界のキーパーソンで構成されたアドバイザリー・コミッティーからは、どのような反響が有るのでしょう?
土屋事務局長:
三年前にCOMNEXTへと名称を変えた狙いとして、国際展としての側面を強めるというビジョンが有りました。そうした中で、海外からキーパーソンが講師として来日してご登壇いただき、翻訳もご用意しているのは日本でも希少だとご評価いただいています。例えばNokiaの方からは、完全に国際イベントであるとご評価を頂き、同社の中で日本の国際的な通信のイベントとしてCOMNEXTをご紹介いただいています。

――:例年以上に、セミナープログラムに注力していますね。
土屋事務局長:
はい。COMNEXTでしか聞けない内容が非常に充実しています。従来から、企業の方針をご検討されている方々のお役に立てるような大きなビジョンのセッションではエグゼクティブの方々も聴講されていましたし、専門技術的なセッションでは先端技術に携わる方々も聴講されていました。そうした方々が展示会場にも来ていただいて出展社の方々と打ち合わせするという、展示会とセミナーのシナジー効果が、今年で開催25年を迎える実績の中で定着しています。

 基調講演は三セッションをご用意しており、IOWNをテーマにNTTの川添副社長、NICTの動向を徳田理事長、そしてもう一つAIをテーマとしたセッションを予定しています。
 特別講演は、企業のトップの方々に出ていただく機会を増やしています。例えば、古河電工が新しいブランドとして立ち上げたLighteraのPresident & COO であるHulse様のご講演、またNOKIAから光通信分野の取り組みに関するご講演がありますので、国際色が高まると期待しています。国内の情報としても、総務省の技術政策課長である松井様からAI社会を支える政策面をご講演いただくセッションをはじめ、多数のプログラムを予定しています。
 昨年の新たな試みだったパネルディスカッションも好評で、今年はIOWNを分かり易くというテーマで実施します。パネリストとして、IOWNを使った映像プロダクションDXの知見をお持ちのTBS、IOWNのインフラやソリューションの知見をお持ちのNTT、NECにもご登壇いただきます。これにより、キーワードとしてよく耳にするIOWNの実際というものを、分かり易くお伝えできると考えています。
 
 今年の新たな試みとしては、セミナーと展示会場との連動を強化するために、セミナーのポスターセッションを展示会場に設けようと考えています。これは、セミナー講師ご本人、あるいは関係者の方々に実施していただきます。どうしても、セミナーは最先端の内容、展示は今の製品・ソリューションという違いは有りますので、その間を繋ぐ役割として企画しています。既に決まっている内容としては、NEDOのBeyond 5Gに関するプロジェクトのポスター展示があります。展示会場での取り組みとしては、東京大学の中尾先生に、10コマほどのスペースを使ったローカル5Gのデモを実施していただきますので、実際に見て、体験ができます。
 
 長年にわたり実施してきた光通信技術(FOE)セミナーも、最新の動向を反映したものが次々と決まっている状況です。

――:出店各社からは、どのような期待の声が出ているのでしょうか?
土屋事務局長:
通信インフラというのは商談の額も大きいので、他の商談展と比べて商談の即決が難しい側面もありますが、そうした中でも数億円の受注に繋がったというお声を頂いています。出展したことにより、ただの情報発信だけではなく、次のビジネスに実際に繋がったという声を非常に多く頂いておりますので、そうした出展各社の成功がCOMNEXTの一番の魅力だと実感しています。

――:最後に、来場者へのメッセージをお願いします。
土屋事務局長:
ご来場される方々は、事前にWebで情報を収集されるかと思いますので、公式Webの改良には毎年注力しています。これにより、出展製品の検索で、事前にある程度の計画を立てていただき、会場を効率良く回っていただければと思います。
 また、セミナーのご聴講の時間も必要ですし、宇宙ビジネスの展示会も同時開催ということで、1日だけのご来場では時間的に厳しいと思います。商談展として、専門の方々が一同に介して濃い打ち合わせができる場となっていますので、可能であれば、2、3日のスケジュールを確保していただければと思います。

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