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ノキアが提案する無線、有線通信インフラの最新ソリューション【可搬型LTE無線基地局】

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可搬型LTE無線基地局によるパブリックセーフティ

災害救助の現場で動画伝送や同報を提供する仮設基地局

 災害救助、復興活動に携わる警察、消防、防災、救急の現場のスタッフに対し、通信インフラは安全面と効率化で貢献できる。だが、東日本大震災でも見られたように、自然災害時は多くの基地局が倒壊して通信が断絶する恐れもある。救助活動では初動の36時間、48時間が重要となることから通信インフラの断絶は深刻であり、ノキアは「そうした状況ではパブリックセーフティ用の自営無線システムが使用されるが、通信速度は数百kbpsと低速であるケースが殆どだ」と指摘する。そこでノキアでは通信設備が断絶した環境でも救助活動で高速な通信を利用する方法として、可搬型のLTE基地局「Nokia Ultra Compact Network(UCN)」を提案している。LTEの容量であれば隊員が現場で撮影した動画を指揮官へ送ることも容易なので、状況を的確かつ迅速に把握するのにも役立つ。

登録端末への同報や遠隔操作が可能

 「UCN」にはLTEのコアの機能であるEPCや加入者登録機能の他、管理ツール、グループ通信アプリケーションサーバ機能の全てが備わっているので、スタンドアロンで使うことができる。災害現場では指揮官から隊員に対する同報が非常に重要になることから、そうした機能も備えている。担当者は「緊急時に全員の端末に対して一斉送信ができる機能も備えているので、ガス漏れや救助者発見といった一刻を争う事態で迅速に情報を同報することができる。各隊員の端末を遠隔操作することもでき、例えば二次被害に遭って端末を操作できない可能性のある隊員の端末のカメラを操作して周囲の状況を確認するといった使い方ができる」と説明している。また、ドローンと連携して上空からの映像やセンサ情報を共有することも可能だという。
 「UCN」の筐体は背中に背負えるバックパック型で、装置重量は30kg以下。悪路など大型装置の搬入が困難なエリアでも迅速に無線を提供できる。バッテリ4本内蔵で3~6時間の継続運用が可能であり、運用中もバッテリ交換が可能だという。登録加入者数は10万台以上、同時接続加入者数は400台以上に対応できるので、パブリックセーフティはもちろん、他の用途でも適用できるスペックを有している。担当者は「技術的には3GPPの他、地域BWAやアンライセンスバンドでの使用が可能だ。ただ、制度面ではモバイルキャリアのバンド数は非常に難しいので、基本的にはプライベートLTEを前提にしている。災害救助がミッションクリティカルなパブリックセーフティという点でも、トラフィックの影響を受けない専用のネットワークが適しているだろう」と説明している。

会場で展示されていた「UCN」。

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