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CATV事業者向け10G級PONシステムの最新動向【3:既設のFTTH網を利用してローカル5Gの構築コストを削減】

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 ITUでは、5GフロントホールにPONを適用する検討が行われている。これはFTTHのPONシステムで無線の基地局を収容するという考え方で、例えばCATV事業者の場合、FTTH網が整備済みのエリアであれば、そのPON設備にローカル5Gを共存させることで構築コストの削減が可能となる。

 5Gフロントホールに既設のPON機器やFTTH網を利用しない場合でも、1対nのネットワーク構成が可能なPONシステムはコストを抑えることができるので、多くの基地局を収容する場合には特に有力な方式となる。そのため、モバイルやテレコムの研究機関でも、NG-PON2や25G WDM-PONなど次世代PONの導入も含めた議論が数年前から進められている。

5GフロントホールにおけるPON利用のイメージ。P2Pと比較して、光配線数およびコスト削減が期待できる。また、P2P接続の場合は光ファイバ(ダークファイバ)の枯渇も懸念されている。

 5GではBBUのユニットを分割することが検討されているので、フロントホールでPONを利用する場合、どのユニットの間に配置するかが重要になる。ここからはBBUのユニットや機能の分割、それによるPON配置の影響を順に追ってみたい。

4Gでは1ユニットで実施していたBBU機能が、5GではCU(Central Unit)、DU(Distribution Unit)、RU(Radio Unit)の3ユニットに分割される。そのためユニット間を結ぶインターフェースであるフロントホール(FH)も2つの区間に分割される。
この3ユニットで実施する機能は9つ有り、どのユニットにどの機能を備えさせるかが焦点となる。その詳細は下図の通り。

3GPPでは、CUとDUとRUにおける9つの機能分割を8分割点オプションで検討している。この検討は非常に重要なものであり、例えば上位側のオプションで機能分割した場合、必要な伝送帯域を抑えることができるメリットが有るものの、無線張り出し部(RU)の機能が重くなるというデメリットが有る。このバランスを考慮しながらどのオプションを選択するかが課題だ。
そうした中で特に注目されているのが、本図のようにオプション2でCU-DUを分離、オプション7でDU-RUを分離という選択だ。ITUは、ユーザ端末に4Gbpsの伝送速度を実現するためにフロントホールで必要となる伝送帯域を算出しており、オプション2では4Gbps、オプション7では10~20Gbpsとなる。

CU-DU-RUの機能分割を踏まえると、5GフロントホールへのPON設置パターンは4種類が考えられる。機能分割オプションの選択により必要な伝送帯域が変わることが、設置パターンの選択に大きな影響を与える。(オプション1~6は約4Gbpsで済む)
PONで光を分配(ODN:Optical Distribution Network)する1対nのネットワーク構成では、遅延や同期の課題もある。その詳細については本特集最後のAPRESIA Systemの解説で触れる。

日本ケーブルラボは5Gフロントホールの構成案として、サブセンタと無線基地局間に既存のFTTHサービス用OLTと光ファイバを共用する構成を提案している。FTTHが整備済みのエリアであれば、その設備を使うことでローカル5G網の構築コスト削減を図ることができる。

目次

■PON導入ガイドライン
・既設PONタイプ別の高速化ガイドライン
・R-OLTのメリットとデメリット
・既設のFTTH網を利用してローカル5Gの構築コストを削減
・PON仮想化技術による構築、運用費用の削減、新しいネットワーク機能への対応

■最新製品動向と導入事例
・住友電工の10G-EPON製品ラインアップと、その特長を活かしたサービス事例
・住友電工製品による、1G-EPONやG-PONから10G-EPONへの移行プロセス
・古河電工のN+1冗長10G OLTと、既設ONU巻取りソリューション
・古河電工によるPONとミリ波の連携ソリューション

以下、後日更新
・仮想化分散型次世代PON/FTTHソリューション(CommScope)
・10GマイクロプラグOLTと導入事例、5Gへの適用(APRESIA)

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