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CATV事業者向け10G級PONシステムの最新動向【4:PON仮想化技術による構築、運用費用の削減、新しいネットワーク機能への対応】

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 IEEE、ITU、BBF、ONFといった各標準化団体では、アクセスネットワークの仮想化技術が検討されている。日本ケーブルラボは、その技術の一つであるONFの「VOLTHA(Virtual OLT Hardware Abstraction)」をCATVのPONに適用するメリットについても言及した。
 本記事では、アクセスネットワークにおける仮想化の重要性も含めて記したい。

VOLTHA導入のメリット
 ネットワークの仮想化には、柔軟なネットワーク構成や、サービス運用の効率化、ハードウェアのコスト削減といった様々なメリットが有る。今回、日本ケーブルラボがピックアップしたVOLTHAは、多様なアクセス方式、異なるベンダ仕様に対して共通的な管理インターフェースを提供する“抽象化機能”を実現するソフトウェア技術。例えば、複数ベンダの異なる仕様のOLTを導入しても、管理を共通化することで制御をシンプルにできる。日本ケーブルラボは「VOLTHAでPONを仮想化することで、PONの構築、運用費用の削減、新しいネットワーク機能への対応といったメリットが有る。併せて、マルチベンダ化による価格競争の喚起や、高速化移行の促進も期待できる」と説明している。

VOLTHAのモデル。各ベンダのOLTがアダプタを介して接続される。コアの部分には、PON管理やアダプタ管理、OMCIやSIEPONといった機能が備わっている。日本ケーブルラボは「E-PONやG-PONなど異なるPON方式や、異なるプロビジョニング方式(DPoE、独自方式)の共存も可能だと考えている」と話している。

アクセスネットワークにおける仮想化の重要性

 ネットワークの仮想化は様々なシーンで導入されているが、PONの仮想化を検討する判断材料として、アクセスネットワーク特有の仮想化の重要性についても触れておきたい。
 アクセスネットワークの世界的なトレンドとしては、従来のFTTHサービスだけでなく、様々なIoTサービスも同じネットワーク網に収容する流れであり、その構築と運用の効率化が検討されている。
 このIoTサービスは、5Gを活用した様々な社会課題解決への期待の高まりも有り、通信インフラへの要求が多種多様化(超大容量化、超多数同時接続対応、超低遅延化・超高信頼化)することが想定されている。その為、アクセスネットワーク運用の複雑化が懸念されており、その解決方法として仮想化による運用の自動化が注目されている。
 仮想化技術により様々なサービスを共存させたアクセスネットワークは、CATV事業者が地域に寄り添った様々なIoTサービスを検討・展開する上でも、有効な社会インフラと言えるだろう。

VOLTHA関連の国内ニュース
5G/IoT 本格普及に向けた光アクセスネットワークの仮想化制御試験に成功【東京大学、OKI、三菱電機】(2020/4/14)
Society5.0社会の通信大容量化に向けた仮想化EPONを開発【古河電工】(2021/1/15)

今後の展望
 日本ケーブルラボは「今回お話しした、PONの高速化移行、R-OLTの導入、 5Gフロントホールへの適用、PON仮想化技術といったPON導入ガイドラインの紹介等により、光化を推進する。また、PON仮想化技術の詳細な調査を行い、より効率的なPONの構成を検討していきたい」との方針を示した。

目次

■PON導入ガイドライン
・既設PONタイプ別の高速化ガイドライン
・R-OLTのメリットとデメリット
・既設のFTTH網を利用してローカル5Gの構築コストを削減
・PON仮想化技術による構築、運用費用の削減、新しいネットワーク機能への対応

■最新製品動向と導入事例
・住友電工の10G-EPON製品ラインアップと、その特長を活かしたサービス事例
・住友電工製品による、1G-EPONやG-PONから10G-EPONへの移行プロセス
・古河電工のN+1冗長10G OLTと、既設ONU巻取りソリューション
・古河電工によるPONとミリ波の連携ソリューション

以下、後日更新
・仮想化分散型次世代PON/FTTHソリューション(CommScope)
・10GマイクロプラグOLTと導入事例、5Gへの適用(APRESIA)

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