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CIOE2018レヴュー

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 今年のCIOEでは、昨年のトレンドを引き継いで5G関連製品と高速データセンタ向け製品の展示が非常に目立っていた。だが、中国国内において現在5G需要に関しては既に動き始めているものの、大型データセンタ建設に関しては北米に比べればまだまだ小規模と言える。この二つの内需を喚起したい中国政府の意向は展示会を通じてもひしひしと伝わってきたものの、データセンタ市場に関しては中国ローカルのコンポーネント・アクセサリベンダのプレイヤー数と品質レベルが上がらなければ、中国の大手OTT事業者であるBAT(百度:Baidu、阿里巴巴:Alibaba、騰訊:Tencent)も国内における積極的なデータセンタ(DC)投資を手控えそうだ。また、昨年のCIOEでは、春節後に起こったファーウェイ(華為)及びZTE(中興)による大生産調整の影響により、多くの出展社における製品の荷動きに幾分影を落としているように感じられたが、この一年で北米のHSDC(Hyper Scale Data Center)需要や国内外のPON需要等に牽引されたことで、既に過剰在庫も解消されたようだ。
 中国を取り巻く環境として今回のCIOE会場各所で耳にしたのは、米中貿易摩擦の影響だ。米中両国とも各産業分野において関税の引き上げを進めており、収束の糸口は未だ見えない。光通信業界においても、一部米国のメーカーは中国市場への価格競争力が損なわれたことで売上げが伸び悩んでおり、一方でコアデバイスを米国から購入したい中国のコンポーネントベンダも調達コストが上がったことで利益が圧迫されている。多くの産業分野で蜜月関係にある欧州と中国ではあるが、こと光通信分野については欧州企業のプレゼンスは一部を除いて高いとは言えず、本来、米中企業間の繋がりは欧中以上に密接だ。こうした背景もあり、今回の展示会では第三国を介して米中間の取引を行おうとする企業や他国の製品をリサーチする企業、また海外調達に依存していた自国製品分野のベースアップを図る企業など、様々な取り組みが模索されているように見えた。一部製品分野で中国ローカル企業の急成長が見えたのも、脱米国依存のひとつの形かもしれない。
 いずれにせよ、例年に増して政治経済的背景、あるいは意図を強く感じるCIOEではあったが、大国間の摩擦や価格競争に飲み込まれずに日系製品のプレゼンスを高める工夫がこれまで以上に要求されよう。

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