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スマートメーター市場は、2031年までに508億2,000万ドル規模へ【MarketsandMarkets】

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 MarketsandMarketsは7月31日(フロリダ州デルレイビーチ)、同社の最新市場レポート『Smart Meter Market – Global Forecast to 2031』のサマリーとして、世界のスマートメーター市場規模は、2026年の316億ドルから2031年には508億2,000万ドルに成長し、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は10.0%になるとの予測を発表した。

 同社によると、市場成長の原動力は、送電網の近代化への投資増加、高度計測インフラ(AMI)の拡大、そしてデジタルユーティリティ技術の普及拡大となる。スマートメーターの導入により、電力、ガス、水道の利用データをリアルタイムで監視できるようになり、請求精度、業務効率、停電検知、需要管理、資産管理が向上する。老朽化したインフラの近代化、再生可能エネルギー源の導入、エネルギー効率と二酸化炭素排出量削減目標の達成をめざす政府の取り組みの拡大も、スマートメーターの導入をさらに加速させている。

レポートの概要
対象期間:2022年~2031年
2025年市場規模:288億3,000万米ドル
2031年市場規模予測:508億2,000万米ドル
年平均成長率(CAGR)(2026年~2031年):10.0%

スマートメーター市場の動向と分析:
・2025年、アジア太平洋地域が62.1%と最大の市場シェアを占めた。

・タイプ別では、2025年に電力セグメントが最大の市場シェアを占めた。

・コンポーネント別では、2026年から2031年にかけて、ソフトウェアセグメントがハードウェアセグメントよりも高い成長率を示すと予測されている。

・技術別では、2026年から2031年にかけて、AMIセグメントがAMRセグメントよりも高いCAGRを示すと予測されている。

・エンドユーザ別では、2026年から2031年にかけて、住宅セグメントが最も高い成長率を示すと予測されている。

タイプ別では、予測期間中、電力セグメントが最大の市場シェアを占める見込み
 スマートメーター市場において、タイプ別では、電力セグメントが予測期間中に最大のシェアを占めると予測されている。これは、電力メーターが電力会社で最も広く採用されており、導入率が最も高いためだ。このセグメントの成長は、電力網の近代化、スマートシティ構想、データ記録における人的ミスを削減するために設計された電力会社のプロセスなど、いくつかの要因に起因している。これらの改善により、請求額の精度が向上し、遠隔監視と効果的な需要管理が可能になる。さらに、政府の取り組みに支えられた、従来型メーターからプリペイド式スマートメーターへの移行が進んでいることも、主要市場におけるこのセグメントの急速な拡大に大きく貢献している。

通信技術別では、RFセグメントが予測期間中に2番目に高いCAGRを記録する見込み
 無線周波数(RF)対応スマートメーターは、一般的にメッシュ型とポイント・ツー・ポイント型の2つのモードで動作する。メッシュネットワークでは、メーターはLANを介してローカルコレクターに接続され、そこからWANリンクを介して電力会社の制御センターにデータが中継される。この構成は、高い帯域幅と低い遅延を実現するが、遠隔地や起伏の多いルーラルエリアではパフォーマンスが制限される場合がある。ポイント・ツー・ポイント システムでは、各メーターはプライマリタワーを介してコレクターに直接接続され、よりシンプルで直接的な通信経路が構築される。

編集部備考

■スマートメーター市場の拡大は、電力・ガス・水道分野でデジタル化が進んでいることを示すだけではない。通信分野の視点で見ると、ネットワークが「情報を伝送するためのインフラ」から、「社会インフラを支えるためのインフラ」へと役割を広げつつあることを示す象徴的な動きと捉えることができる。そしてこの流れが、AI活用により高度化している点が重要だ。

 従来、通信ネットワークは音声やデータ通信、映像配信など、人や企業が利用する情報サービスを支える基盤として発展してきた。一方、スマートメーターは電力やガス、水道といった生活インフラの稼働状況を継続的に取得し、遠隔検針や設備監視、需要予測などに活用する。そのため通信ネットワークは、人と人を結ぶためだけでなく、社会インフラの運用そのものを支える役割を担うようになっている。
 さらに近年は再生可能エネルギーの導入拡大や分散型電源の普及、EV充電設備の増加などにより、電力需給の変動は従来よりも複雑になっている。こうした環境では、膨大なスマートメーターデータをリアルタイムに収集し、AIによる需要予測や電力制御へ反映する仕組みの重要性が高まる。通信ネットワークには、データを届けるだけではなく、社会インフラの状態を正確かつ低遅延で把握し、制御システムへ橋渡しする基盤としての役割が求められるようになる。

 AIデータセンタ向けネットワークへの投資が注目を集める一方で、AIが現実世界を制御するためには、社会のあらゆる場所から高品質なデータを収集する仕組みが欠かせない。スマートメーター市場の成長は、通信ネットワークの価値がデータ通信の高速化だけではなく、社会インフラ全体の高度化を支える方向へ広がっていることを示す動きであり、この潮流がAI活用によりどう変化していくのかが注目される。

■AI時代の競争力を左右する要素として、これまではAIモデルの性能や演算能力が注目されてきた。しかし今後は、それらに加えて「どのような現実世界のデータを継続的かつ高品質に取得できるか」が重要な差別化要因になる可能性が高い。スマートメーター市場の拡大は、その変化を示す一つの事例と言えるだろう。

 生成AIの普及によって、大規模言語モデルや推論基盤そのものは徐々に共通化が進みつつある。一方で、電力需要や設備状態、気象条件、地域ごとの消費パターンといった現場のリアルタイムデータは、それぞれの事業者や地域でしか取得できない固有の資産となる。スマートメーターは従来の計測機器の延長ではなく、現実世界をデジタル空間へ反映するためのセンサーとして機能し、その価値は今後さらに高まっていくと考えられる。

 こうしたデータを有効活用するためには、AIだけでは十分ではない。数千万台規模の機器から収集されるデータを安定的に伝送する通信ネットワーク、データを統合・蓄積するプラットフォーム、分析や制御を担うAI、そしてセキュリティや運用基盤までを一体的に構築することが求められる。競争の焦点は、個別製品の性能向上から、異なるシステムやプレイヤーを連携させながら社会全体を最適化するエコシステムの構築へ移りつつある。
 AI時代における通信インフラの価値は、より高速・大容量な通信を提供することだけでは測れない。社会インフラから生成されるリアルタイムデータを安全かつ効率的に流通させ、AIが現実世界と連携して価値を生み出す基盤となることが重要になる。スマートメーター市場の成長は、ネットワークが社会のデジタルツインを支える情報基盤として、その存在感を一層高めていくことを示唆している。

(OPTCOM編集部)