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Amantya Technologiesが、Rypplzzの空間インテリジェンスを5G Coreプラットフォームに統合

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 Amantya TechnologiesとRypplzzは8月4日(ロサンゼルス)、Amantyaが5G Coreソリューションの基盤としてRypplzzの空間インテリジェンス プラットフォームを採用したことを発表した。

 両社は「この2つのテクノロジーの強力な組み合わせにより、世界中の通信事業者、企業、政府機関向けに、インテリジェントで位置情報認識型のネットワークソリューションの開発が加速される」としている。

 この協業により、Amantyaのクラウドネイティブ5G SA Core、ユーザ プレーン機能(UPF)、マルチアクセス エッジ コンピューティング(MEC)、RANインテリジェント コントローラ(RIC)、ネットワーク自動化、通信インテリジェンスにおける専門知識と、Rypplzzの空間インテリジェンス プラットフォームが融合される。 Rypplzzの技術は、高精度3D測位、マルチセンサ融合、デジタルツイン、そしてAIドリブン型空間インテリジェンスを組み合わせ、既存の無線インフラ上で完全にソフトウェアベースで実現する。新たなハードウェアは一切不要だ。

 両社は「我々は協力して、通信ネットワークをインテリジェントなデジタルインフラへと変革することをめざしている。このインフラでは、キャリアグレードの接続性に、高精度な空間認識、AIドリブン型意思決定、そして統合センシング・通信(ISAC)レイヤード技術によるリアルタイムの運用インテリジェンスが付加される。この協業により、通信事業者、企業、公共安全機関、政府機関は、よりスマートなインフラを構築し、自律運用を支援し、AI-RAN時代と6Gへの進化に向けた新たなデジタルサービスを実現できるようになる。

 この共同事業は、まず以下の4つの戦略分野に重点を置く。

キャリアネットワーク向け空間インテリジェンス:AIネイティブ5Gインフラとソフトウェア定義型空間インテリジェンスを統合し、スマートシティ、公共事業、交通機関、企業ネットワーク向けにリアルタイムの運用インテリジェンスを提供する。

重要インフラ向け高精度測位:航空、製造、物流、医療、防衛、公共安全など、ミッションクリティカルなアプリケーション向けに、マルチセンサ融合によりGNSSが利用できない環境下でも、堅牢で信頼性の高い測位を実現する。

AIドリブン型ネットワーク最適化:空間認識とAIを活用したRANインテリジェンスを組み合わせることで、予測型モビリティ、インテリジェントなリソース最適化、そしてパブリックおよびプライベート5Gネットワーク全体でのパフォーマンス向上を実現する。さらに、6Gへの拡張も可能なアーキテクチャを採用している。

物理AIと自律システム:超低遅延5G、エッジコンピューティング、デジタルツイン、高精度空間インテリジェンスの融合により、ドローンのリアルタイム検出・追跡、ロボット工学、産業オートメーション、自律システムをサポートする。

 Amantya TechnologiesのCEOであるAnuradha Gupta氏は「次世代の通信ネットワークは、単に高速な接続性だけでなく、物理世界をリアルタイムで理解し、対応できる能力によって定義されるだろう。AmantyaのAIネイティブ5GプラットフォームとRypplzzの空間インテリジェンス機能を組み合わせることで、新たな企業、産業、公共部門向けアプリケーションを可能にするインテリジェントネットワークの基盤を構築する」とコメントを出している。

 Rypplzzの創業者 兼 CEOであるJosh Pendrick氏は「AIが物理世界に浸透していくにつれ、空間インテリジェンスは次世代デジタルインフラの基盤レイヤになりつつある。Amantyaと協力することで、キャリアグレードの接続性とリアルタイムの空間インテリジェンスを融合させる。この共同の取り組みにより、企業、公共安全、重要インフラ、政府機関など、幅広い分野で新たなアプリケーションが実現する」とコメントを出している。

 両社は「インド、米国、その他の市場において、通信、企業、公共安全、防衛、運輸、スマートインフラ関連の取り組みに関する顧客エンゲージメント、パイロット展開、技術デモンストレーションを共同で検討していく」との考えを示している。

編集部備考

■通信インフラは、「端末をつなぐ基盤」から「現実世界を理解する基盤」へと役割を広げている。今回の5Gコアプラットフォームへ空間認識技術(Spatial Intelligence)を統合するという動きは、その潮流の進捗状況の一例として重要だ。特に、既存の5G SA Core上でハードウェア追加なしに空間知能をソフトウェア実装した点で、業界のロードマップを先取りする先進的な取り組みと言える。

 従来、通信ネットワークが提供する価値は、高速・大容量・低遅延といった通信品質そのものにあった。一方、今回統合されるSpatial Intelligenceでは、3D位置情報やマルチセンサから得られる情報をAIが解析し、デジタルツインとも連携することで、人や車両、設備などが「どこにあり、どのような状態にあるのか」という現実空間の状況をリアルタイムで把握できるようになる。

 ネットワークをデータ伝送だけでなく、AIが現実世界を理解するための情報基盤としても機能させるという取り組みは、近年注目されるAIネイティブネットワークやAI-RANの流れとも共通する。今回の発表ではAIが最適化の対象とする情報そのものが、通信設備から現実空間へと広がっている点が特徴的だ。AIがネットワークを効率的に制御するだけではなく、ネットワークを通じて現実世界を認識し、その結果を物流や公共安全、スマートシティなどのサービスへ還元する基盤へと進化しようとしている。

■AI時代における通信事業者の競争軸も、このようなネットワークの役割の変化に合わせて広がっていく可能性がある。高速・低遅延・高信頼な通信基盤を構築することは引き続き重要だが、それだけでは差別化が難しくなりつつある。今後は、ネットワーク上を流れるデータと現実世界の情報をどのように結び付け、新たなサービスや産業価値へ転換できるかが競争力を左右する要素になっていくだろう。

 特にAIの活用が社会全体へ広がる中で、AIが必要とするのは大量のデータだけではない。「いつ、どこで、何が起きているのか」という空間情報をリアルタイムで取得し、それをAIが継続的に学習・判断へ反映できる環境が重要になる。通信ネットワークは、この情報を収集・伝送するだけでなく、デジタルツインや各種AIプラットフォームと連携することで、社会や産業システム全体を支える情報基盤としての役割を担うことになる。

 こうした流れは、これまで通信事業者が培ってきた広域ネットワークや高い信頼性という強みを、新たな付加価値へ発展させる機会にもなる。AI、センシング、位置情報、デジタルツインを組み合わせることで、通信サービスそのものではなく、「現実世界をリアルタイムに把握し、産業システムや社会インフラへ活用できる情報」を提供することが、新たな事業領域として広がる可能性がある。

 AI時代の競争は、AIをネットワークへ組み込むことだけではなく、ネットワークをAIが社会や産業を理解するための「知覚基盤」へと進化させられるかどうかへと発展しつつある。今回の提携は、5Gコアへの新機能追加という枠を超え、通信インフラがAI時代のデジタル社会を支える基盤としてどのような価値を提供していくのか、その方向性を示す一例として注目される。

(OPTCOM編集部)