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東京都港区における5G の活用促進に向けた連携協定の締結【住友商事、J:COM、ジェイコム東京】

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 住友商事とジェイコム東京は1月20日、東京都港区と共同で、港区への5G通信網の早期構築とその活用を目的とした連携協定を締結することに合意した。2020 年度からの通信事業者向け5G基地局シェアリングサービスの導入を目指し検討を開始するとともに、港区内におけるローカル5G等の新たな技術の活用に向けた実証実験を行うという。
 5Gは、超高速・超低遅延・同時多数接続を実現する次世代通信技術であり、携帯電話などの通信に加え、教育や医療、防災など幅広い分野での活用が期待されている。その一方で、1つの基地局でカバー可能なエリアが4Gと比較して狭いため、5Gの普及には基地局の迅速な整備と、その設置場所となる用地等の確保が必須だ。東京都は、2019年8月に「TOKYO Data Highway 基本戦略」を発表し、都の保有施設への5G関連設備の設置を認めるなど、東京都内における戦略的な5G の基盤構築の促進に乗り出している。
 同協定の締結により、港区が保有する公共施設などに、5G基地局シェアリングサービスを可能とする共用アンテナシステムや同システムを備えたインテリジェントポール(※)などを設置し、5G 通信網の早期整備に貢献する。また、特定のエリア限定で利用可能なローカル5G等の設備を、港区庁舎や公共施設などに導入することで、区内における5G等の新たな技術の利活用方法やその実用性の検証を可能にする環境を整える。
※インテリジェントポール:通信事業者の無線機、カメラ、センサーなどの多機能設備を搭載可能なスマート街路灯

 同協定の各参加者においては、港区は区有施設を活用した5Gの普及促進を、ジェイコム東京は光ファイバ回線および無線機設備などの設備設置場所の提供を、住友商事は共用アンテナシステムやローカル5Gの通信に必要な制御システムの提供を行う予定だ。国内初の官民による広域での5G 実装モデルとなる見込みで、港区内における区民や来街者の利便性向上に貢献していくことを目指すという。

 住友商事では、2019 年にローカル5Gの実証実験を行った他、東急との共同による渋谷での5G基地局シェアリングの実証実験を推進する等、5G時代に必要となる様々な知見やノウハウを蓄積している。今後も、5G を活用したサービスの展開を幅広く検討し、他社との提携などによる次世代ビジネスの創出を目指します。
 ジェイコム東京では、2019 年に住友商事が実施したローカル5G の実証実験に参画し、実験に必要となる設備、場所などを提供する等の協力を行った。また、従来から地域に根差すメディア企業として地域情報の提供を行い、事業活動を通じた地域への貢献や、地域における新たなビジネス機会の創出にも取り組んでいる。同社は「今後5G等の技術を活用した、新たなサービスの提供や企業との連携に取り組むことで、地域の産業の活性化にも貢献していくことを目指す」としている。

 J:COM では、ジェイコム東京を含む全国11社を通じてケーブルテレビ事業を運営し、地域と密な関係の下でユーザに様々なサービスを提供している同社は「Society5.0時代に向け、ジェイコム東京における本取組等を通じ、各地域での5G 等の技術を活用した新たな付加価値の提供や、行政、及び企業との協創の機会を追求していく」としている。

協定締結による連携イメージ


インテリジェントポールのイメージ図

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