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エリクソン、ネットワークの柔軟性を高めるクラウドRANポートフォリオを発表

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 エリクソンは10月27日、通信事業者によるネットワークへの柔軟性と汎用性の追加を実現する新製品、クラウドRAN(Radio Access Network)を発表した。(本抄訳は11月4日にエリクソンの日本法人が発表)

 エリクソンのクラウドRANは、RANのコンピュート機能を処理するクラウドネイティブのソフトウェアソリューション。Ericsson Radio Systemポートフォリオの高性能な専用ベースバンド製品を補完し、通信事業者のあらゆる展開シナリオとニーズに最適な選択肢を提供する。

 通信業界が世界中で5Gネットワークを展開する中、特にクラウドRANを採用した自動化や仮想化などの技術は、将来のネットワークの進化で重要な役割を果たす。これらの技術はネットワークのオープン性を高める触媒となり、クラウド技術は実証済みの信頼できる既存のソリューションを補完する新しい革新的なRAN展開の選択肢をもたらすと期待されている。

 エリクソンのクラウドRANは、大規模な5G展開と集中型の5G展開の両方にネットワーク機能を提供する。これにより通信事業者は、屋内、産業用、法人向け、スタジアム向けや、それを超える新しいビジネスチャンス、そして多様な5Gユースケースに対応できる。

 この新製品は、エリクソンのクラウドコアネットワークの設計と展開、また世界中のサービス管理とオーケストレーションの経験を活用し、通信事業者がWebスケールの技術を使い、アプリケーションからインフラストラクチャに至るクラウドネイティブ設計の恩恵を受けるための扉を開く。エリクソンは「これは革新的な新しいサービスを導入する開発者や企業に高い拡張性と市場投入時間の短縮をもたらす」としている。

 エリクソン 上席副社長兼ネットワーク事業部門総責任者であるFredrik Jejdling氏は「5Gはオープンイノベーションのためのプラットフォームだ。開発者と通信業界のより大きなエコシステムを強化することで、5G分野で新しいクラウドのイノベーションを共創・実現できる。エリクソンはクラウドRANを通じて、ネットワークへの投資を最大限に活用しつつ、将来に備えた技術でネットワークを進化させるお客様のお手伝いをする」とコメントを出している。

 エリクソンのクラウドRANは、通信事業者が専用5Gネットワークを補完する取り組みに合わせて段階的にリリースされる。基盤を提供する第一段階では、COTS(Commercial Off-The-Shelf)ハードウェアプラットフォームを使った仮想化RANへの容易な移行を支援する、5Gローバンド向けのシステム検証済み(※)のソリューションを提供するという。
(※システム検証済みとは、すべての要素が指定された環境で動作するか事前に試験され、ハードウェアとソフトウェアの分離に伴う複雑性と検証ニーズが軽減され、管理されていることを意味する)

 第一段階に含まれる、エリクソンの新しいクラウドRANアプリケーションソフトウェアであるクラウドRAN DUとクラウドRAN CUは、高い機能性と柔軟性を備えた5Gネットワークアーキテクチャを実現する。また、実装済のリモート無線をフルに活用し、クラウドRANとの完全な互換性を持たせる新しい無線ゲートウェイも含まれている。これらの製品は、将来のミッドバンドへの展開の基礎となる。

 エリクソンクラウドRANは、Ericsson Radio Systemのポートフォリオと完全な互換性があり、エリクソンスペクトラムシェアリングおよび5Gスタンドアローンと非スタンドアローンをサポートしている。

 Mobile ExpertsのチーフアナリストであるJoe Madden氏は「エリクソンはクラウドRAN技術のイノベーションをもたらし、その強力なネットワークポートフォリオにオープンでハイレベルなAPIを追加し、顧客体験の改善とネットワークの自動化に伴う総所有コストの削減を実現する。新しいクラウドRAN DUとクラウドRAN CUのリリースにより、高い無線性能と柔軟性の組み合わせが実現される」とコメントを出している。

 仮想化とマルチドメインオーケストレーションは、将来のRANのオープン化の土台をも構築する。エリクソンのクラウドRANはO-RANインタフェースに沿った、Non-RT RIC(Non Real-Time RAN Intelligent Controller)を含むサービス管理とオーケストレーションアーキテクチャーをサポートするように設計されている。

 エリクソンクラウドRANの第一段階は、2021年第4四半期に提供されるという。

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