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産業分野におけるDX実現に向け、NTTドコモと5Gの相互接続可能なハイブリッドネットワークを構築【富士通】

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 富士通は7月15日、NTTドコモ(以下、ドコモ)とDX推進やイノベーション推進を目的としたソリューションの実現に向けて、ローカル5Gとパブリック5Gの相互接続可能なネットワーク(以下、ハイブリッドネットワーク)の構築および有効性の検証などを進めることで合意したと発表した。

 この取り組みでは、「FUJITSU コラボレーションラボ」と「ドコモ5G オープンラボ」をシームレスに相互接続できるハイブリッドネットワークを実現する。
 富士通は「ドコモ様と共同で、ハイブリッドネットワークを活用してDXソリューションの開発およびその提供を行い、お客様の製造現場をはじめとする産業分野でのデジタル化、スマート化に貢献する」としており、「当社は今後、本取り組みで得た知見やノウハウをもとに、ハイブリッドネットワークの特性を生かした5G技術を活用したソリューションやサービスの開発を進め、製造分野におけるサプライチェーンの全体最適化をはじめ、幅広い業種を支援する」との考えを示している。

背景

 産業分野において、エネルギー問題や環境問題への対処、労働力のリソース不足、多彩なニーズに対応するサプライチェーンの複雑化など、事業をとりまく外部環境は大きく変化している。特に製造業においては、外部環境の変化に強いレジリエントな製造現場に変革していくため、品質を維持しながらデジタル化を通じた業務の効率化や自動化、遠隔操作の活用が求められており、このような現場革新を実現するネットワークとしてローカル5Gの実用化が進んでいる。
 ローカル5Gは、ユーザ自身が自社の建物や敷地内において、柔軟に5Gネットワークを構築・運用できるといった特長がある。一方で、移動体通信事業者によって全国的に提供される通信サービスであるパブリック5Gは、広域をカバーできる特長があるため、工場の多拠点化対応や、広域に展開される物流や販売など、製造業サプライチェーンの幅広い分野への適用が期待されている。

今回の取り組みの概要

 取り組みでは、富士通はドコモと共同で、「FUJITSU コラボレーションラボ」にドコモのパブリック向け5G基地局を設置して、富士通が提供するローカル5Gとドコモが提供するパブリック5Gの相互接続が可能なハイブリッドネットワークを構築し、製造業向けにサプライチェーンを包括的にカバーできるソリューションの検証環境を整備する。
 また、富士通のローカル5Gをはじめとする技術や知見と富士通の顧客企業の先進技術を活用してソリューションを共創するプログラム「ローカル5Gパートナーシッププログラム」にドコモが加入し、富士通の製造業としての知見とローカル5Gの技術、ドコモの広域ネットワーク運用の知見とパブリック5Gの技術を生かし、ハイブリッドネットワークを活用した新たな製造業向けDXソリューションの開発および提供を共同で行う。

 さらに、ドコモが提供する「ドコモ 5G DX スクエア」の取り組みにおけるパートナー運営拠点として、「FUJITSU コラボレーションラボ」が参画する。これにより、「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」加入企業・団体や「ドコモ 5G DX スクエア」を利用する企業・団体が、「FUJITSU コラボレーションラボ」において、5Gの技術を生かしたソリューションの開発や実証を行うことができる。
 また、富士通の「ローカル5Gパートナーシッププログラム」とドコモの「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」が提供する企業向けのプログラムも相互に連携することで、各プログラムの参加者は、富士通とドコモが開発する製造業向けDXソリューションの実証や有効性検証を行うことも可能になる。

ハイブリッドネットワークによる相互接続イメージ

 富士通は今後の展開について「当社は、本取り組みで得た知見やノウハウをもとに、調達から生産、物流、販売に至る幅広い製造業のサプライチェーンへの包括的な適用が可能なDXソリューションの開発を進める。これにより、製造業のお客様のサプライチェーンのさらなる全体最適化をソリューションで支援していく」としている。

ハイブリッドネットワークの製造業サプライチェーン適用イメージ

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