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ローカル5Gを活用した湾内におけるブリ養殖給餌業務完全無人化に向けた自動操船の実証【シンクレイヤ】

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 シンクレイヤは3月14日、ZTVを中心とした16の団体・事業者からなるコンソーシアムにて実施される「ローカル5Gを活用した湾内におけるブリ養殖給餌業務完全無人化に向けた自動操船(以下、本実証)」を三重県尾鷲市において実施していることを発表した。
 本実証は、総務省の「令和5年度地域デジタル基盤活用推進事業」の2次公募で採択されたものとなる。

 日本は豊かな海に囲まれた島国であり、その恵みでもある水産物を消費する大規模な市場が存在し、多くの人が水産業に従事している。しかしながら、漁業従事者人口は長期に渡り減少が続いている。水産業が衰退すると、その地域の経済に与える影響も大きいことから、対策を進める必要がある。
 人口減少による労働力を補うためには、最新の通信技術を活用した業務効率化が最適であると考え、令和4年度の総務省の「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」では、ブリ養殖において中心的な業務となる給餌船による給餌作業の省力化に取り組んだ。併せて給餌量や海洋状況のデータをデジタルで一元化することで、入力作業の削減や可視化による業務の改善することも確認できた。

 本実証では給餌業務全体の無人化達成に向けて、令和4年度の実証フィールドである三重県尾鷲市の尾鷲湾において遠隔監視による複数隻の無人運航船を活用することを想定した運航に取り組みむ。

 その実証内容としては、令和4年度の総務省の「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」において構築したローカル5Gの高速通信等の特徴(通信技術)を活用して、収集する船舶周囲および湾内周辺陸上からの映像やセンサーデータ、位置情報とスタートアップ企業が作成する水中の3Dモデルマップを用いることで無人操船に必要な状況把握と危険予知などを実施する。また、養殖漁場における給餌業務の完全無人化の達成に必要となる、港から生け簀までの給餌船の自動操船(シャドー運航)の実現、および自動給餌システムの性能向上を図る。将来的には給餌業務無人化による業務効率化、生産性向上等の課題解決の達成をめざす。

 シンクレイヤは、これまでのZTVのインフラ設備をはじめとした全国のCATVの通信高度化に関する多くの構築実績を活かし、システムインテグレーション全体の統括を担い、本実証実験の有効性の検証を担当する。
 シンクレイヤは「本実証実験で得られる技術と知識を基に、ローカル5Gを用いた具体的なサービスの実現をめざす。また、今後もこのような取り組みを通じ、安全・安心で持続的な街づくりに貢献していく」との方針を示している。

実証実験に参加するコンソーシアムメンバー一覧(16団体・事業者)
ZTV、尾鷲物産、シンクレイヤ、東京海洋大学、三重県、鳥羽商船高等専門学校、アイエスイー、ヤンマーホールディングス、ヤンマーマリンインターナショナルアジア、パナソニックコネクト、日本ケーブルテレビ連盟、ニチモウ、百五銀行、百五総合研究所、水域環境情報基盤、住友商事

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