CATV業界のローカル5G活用と地域DXの推進【2:ローカル5Gの利用を促進する業界統一コアと税制優遇】
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ローカル5Gの利用を促進する業界統一コアと税制優遇
日本ケーブルテレビ連盟に加入している363事業者(2019年3月末時点)の合計売上高は、1兆2,734億円と推計されている。非常に大きな市場規模であり、その内訳のトップは放送ではなく通信だ。放送から始まり、インターネット、電話と順調にすそ野を広げているCATV事業者のサービス。その「第四の柱」となるのは、無線通信サービスだ。2020年11月時点において地域BWAに取り組んでいるのは97事業者(218自治体)であり、MVNOは104事業者が取り組んでいる。ローカル5Gは、この流れの最前線という位置づけだ。ローカル5Gの新周波数帯であるSub6帯も、約50事業者が免許申請準備中もしくは検討中であり、その内の10事業者が早期の申請を予定しているとのことなので、ローカル5Gへの期待の高さと真剣さが分かる。
日本ケーブルテレビ連盟 無線利活用委員長の田村欣也氏は「各地域の課題は様々であり、その取り組みも様々だ。ただ、いずれの自治体においても、CATV事業者は今、放送や無線の技術力により、地域に貢献することが期待されており、ローカル5Gは、その意味では極めて重要な技術であると言える」としており、「CATV事業者は一社一社の規模が小さいため、大規模な経営資源が必要となる無線事業を進めるには、業界全体での協力連携が不可欠だ。そのため、連盟を中心とする業界内連携による取り組みを進めており、2019年にはローカル5Gに向けて無線コアを共同利用するために、グレープ・ワンを設立し、業界統一コアを立ち上げている。これにより、業界内の350の事業社が、地域や規模に関わらず、同じ条件でコア設備や基地局等を利用・調達することが可能となる」と説明している。
グレープ・ワンは、「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律」等に基づく開発供給計画認定の申請をノキアソリューションズ&ネットワークスと共同で行い、12月2日に経済産業大臣および総務大臣より認定を受けた。
参考記事:全国初 5G投資促進税制に係るローカル5G開発供給計画認定取得【グレープ・ワン】
グレープ・ワン 代表取締役社長の柴垣圭吾氏は「我々は、コア、基地局、端末、その他の付帯設備も含めて一括で調達し、サイバーセキュリティを確保しつつ開発、供給および導入を適切に行う。各CATV事業者が共通のシステムを使うことによって、運用オペレーションが効率的になる。コアの部分は共通で使っていただいて、基地局は各CATV事業者が資産として運用していただき、機器の監視関係は一元的にグレープ・ワンで実施することで効率化を図る」としており、「ローカル5Gの課題というのは地域によって様々だが、機器の価格というのは共通した課題なので、15%の税制優遇というのは大きい。税制優遇をしっかり受けて、国と共に取り組むことでローカル5Gを推進できるので、地方創生、そして国力を支えることに寄与していきたい」と話している。
特集目次
【日本ケーブルテレビ連盟の取り組み】
1:連盟や総務省が期待する、CATV事業者によるローカル5G活用
2:ローカル5Gの利用を促進する業界統一コアと税制優遇
【CATV事業者によるローカル5Gの活用事例】
3:秋田ケーブルテレビ
4:ケーブルテレビ
5:ジュピターテレコム
6:となみ衛星通信テレビ
7:ZTV
8:愛媛CATV