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Ericssonが、ハンガリーにおける未来のネットワーク構築のため、ブダペストに6Gラボを開設

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 Ericssonは11月12日、ブダペストのR&Dセンターに新たな6Gラボを開設したことを発表した。

 同ラボは、接続性の未来を形作り、次世代ネットワークの研究と標準化に貢献するというEricssonのコミットメントをさらに強化するものとなる。

 Ericssonは「この新たなラボは、コアネットワークの進化を推進し、ネットワーク エクスポージャやプログラマビリティといった主要な6Gサポート機能の開発に注力する。5Gコアの継続的な進化を基盤として、6Gアーキテクチャは、クラウドネイティブ技術、ITフレームワーク、自動化、オープン インターフェース、AI、機械学習といった分野における急速な進歩を活用する」と説明している。

 Ericssonは、国際的な主要テクノロジー企業やモバイル通信事業者とのパートナーシップに加え、ブダペスト工科経済大学(BME)、エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)、オーブダ大学、HUN-REN研究ネットワークといったハンガリーの主要学術機関とも共同研究や実験を進めていく。

 Ericssonの中央ヨーロッパおよび北バルカン地域 責任者であるAntonio Passarella氏は「ハンガリーに6Gラボを開設したことは、研究とイノベーションへの当社の長期的なコミットメントを強化するものだ。6G時代に向けて、私たちの目標は、現在の5Gコア技術をさらに柔軟でオープン、かつインテリジェントなプラットフォームへと進化させ、全く新しいユースケース、産業、そして社会的なメリットへの道を切り拓くことだ」とコメントを出している。

 Ericsson HungaryのR&D責任者であるAndrás Boráros氏は「ブダペスト6Gラボは、科学的なブレークスルーの場であると同時に、実用的なイノベーションのハブとなることをめざして設立された。私たちの取り組みは、ポスト5Gの世界への準備にとどまらず、真に社会に貢献することをめざしている。私たちは、人々が将来、これまで以上に効果的にコミュニケーションを取り、協働できるよう尽力している」とコメントを出している。

 ハンガリーに拠点を置く6Gラボは、Ericssonのグローバル6G研究プログラムにおいて重要な役割を果たし、将来のネットワークが、より持続可能で、レジリエンスに優れ、人間中心のデジタル社会の発展をどのように支援できるかを探求する。この取り組みは、ハンガリーのイノベーション・エコシステムにおけるEricssonの地位を強化し、共同研究、学術連携、人材育成といった新たな機会を創出するものとなる。

Ericssonは1991年からハンガリーに拠点を置いており、1996年にはEricsson Researchチームを設立した。同社は「ブダペスト6Gラボの開設により、ハンガリーが将来の通信技術の形成において積極的な役割を果たす」との考えを示している。

編集部備考

■6Gは、情報空間と物理空間を統合する社会インフラの再定義など、通信技術の新たな役割も期待されている。その社会実装に向けた研究は、ラボを設立した国の産業構造や政策環境からも強い影響を受けるだろう。
 ハンガリーはEU圏内でも研究人材とコストのバランスに優れ、通信・情報工学系大学が集積する地域だ。ブダペスト工科経済大学を中心に、AI、クラウド、ネットワークアーキテクチャ分野での産学連携が進んでおり、EricssonのR&Dセンターも欧州有数の規模を誇る。この既存基盤に6G研究を重ねることで、Ericssonはグローバルなイノベーション・ネットワークの中枢を中東欧にも拡張した構図となった。
 また、ハンガリー政府の「National Digitalisation Strategy 2022–2030」は、通信インフラ整備と教育・産業のデジタル化を同時に推進する政策であり、6G研究はその方向性と合致している。同国は企業・大学・行政の三位一体型エコシステムが形成されつつあり、通信技術の社会実装を促進する土壌としての期待は大きい。こうした取り組みは、6Gが描く「人中心のネットワーク社会」を具現化するための実証環境としても適している。
 ブダペストの6Gラボは、ハンガリー国内産業の効率化を促すとともに、そこで得られた知見をグローバル通信産業にフィードバックする重要拠点としても注目したい。

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