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NETSCOUTが、AIを活用したインターネット規模のDDoS攻撃に対する重要インフラの運用回復力を強化

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 NETSCOUTは7月24日(マサチューセッツ州ウェストフォード)、インフラストラクチャとテクノロジーへの継続的な投資を発表し、Arbor CloudのDDoS攻撃緩和容量を33Tbpsに倍増させたと発表した。

 同社は「これにより、DDoS攻撃発生時にも重要なデジタルサービスの可用性を維持し、収益を生み出すデジタルオペレーションを保護し、常時稼働のAIドリブン型ビジネスをサポートし、顧客の信頼を維持する」と説明している。

 この容量増強は、NETSCOUTが最近買収したDDoSネットワークおよびインフラストラクチャと相まって、業界をリードするクラウドベースのDDoS防御をグローバル規模で提供するという同社のコミットメントをさらに強化するものとなる。
 プラットフォームのエンド・ツー・エンドの制御を完全に所有し、確保することで、NETSCOUTは世界中の顧客向けに革新的で回復力の高いサービスを拡張するための明確な道筋を確立した。帯域幅を追加するだけのクラウド緩和サービスとは異なり、Arbor Cloudはグローバルな緩和能力とグローバルな脅威インテリジェンスを組み合わせ、NETSCOUTが持つ現実世界のインターネット攻撃活動に関する卓越した可視性を活用している。世界16か所のスクラビングセンターを擁するこの大幅な能力増強により、顧客は環境内のあらゆる攻撃ベクトルに対して緩和能力を常にバランスよく配分することで、規模、頻度、巧妙化が進むDDoS攻撃から身を守る能力を得ることができる。

 NETSCOUTは「Markets and Marketsによると、DDoS防御市場は、高度化する攻撃とクラウド導入の加速を背景に、今後も成長を続けると予想されている。今日では、マルチベクトル攻撃が常態化している。攻撃者は同時攻撃や短時間で攻撃を仕掛ける攻撃を増やしており、防御側の対応時間は短縮を余儀なくされている。さらに、AisuruやKimwolfといった巨大ボットネットは攻撃規模の上限を引き上げ、一部の攻撃は30Tbpsに迫る、あるいはそれを超える規模に達している。企業やサービスプロバイダは、重要なデジタル インフラストラクチャの保護レベルを向上させる必要性に迫られている。

 NETSCOUTのArbor Cloud担当SVP 兼 ゼネラルマネージャーであるCarlos Morales氏は「AIの利用拡大に伴い、脅威アクターは、重要インフラをダウンさせることを目的とした、より複雑で新たなDDoS攻撃に対して脆弱な防御体制を持つ組織を標的にしている」とし、「企業がAI搭載アプリケーションやクラウドネイティブサービスへの依存度を高める一方で、攻撃の規模と複雑さは増大し続けており、中断のない可用性を確保するための自動化されたプロアクティブな防御策の導入は、ビジネスリスク管理において不可欠な要素となっている。Arbor Cloudは、この目標達成において重要な役割を果たす」とコメントを出している。

 Arbor Cloudの容量を増強することで、以下のようなメリットが得られる。

インテリジェントな緩和能力の向上:より大規模で高度な攻撃を、効果を損なうことなく吸収・ブロックする。

複数の脅威への対応:複数の同時攻撃(例えば、絨毯爆撃型DDoS攻撃:カーペットボミング)や複数の攻撃ベクトルに同時に対応する。

安定した運用パフォーマンス:重要インフラを保護し、攻撃の規模と頻度が増加しても容量が制約にならないようにする。

トラフィック急増後の迅速な安定化:シールドウォールとして機能し、攻撃が顧客インフラに到達して、実際の攻撃が収束した後も長期にわたる二次被害が発生するのを防ぐ。

運用上の信頼性:金融サービス、病院、小売、公共部門など、正当なトラフィックの急増とサイバー攻撃が同時に発生した場合でも保護が継続されることが求められるミッションクリティカルなセクターに、さらなる安心感を提供する。

 Arbor Cloudは、NETSCOUTの多層型適応型DDoS防御において重要な役割を果たす。オンプレミスのDDoS防御とクラウドベースのトラフィックスクラビングサービスを組み合わせ、自動化されたクラウドシグナリングによって緊密に統合している。このハイブリッド設計により、攻撃を可能な限り発生源に近い場所で阻止すると同時に、大量のトラフィックをクラウドでシームレスに吸収する。包括的なグローバル保護を提供するArbor Cloudは、NETSCOUTのDDoS防御専門家が常駐する24時間365日のセキュリティオペレーションセンターによってサポートされている。容量拡張は2026年8月末までに完了する予定となっている。

 NETSCOUTは「この投資により、当社は世界最大規模の専用DDoS攻撃対策ネットワークと、数十年にわたるサイバー防御の専門知識、業界をリードする脅威インテリジェンス、そしてグローバルなインターネット可視性を組み合わせることで、DDoS攻撃対策における長年のリーダーシップをさらに強化する。デジタルインフラが急速に進化し、AIがイノベーションとサイバー脅威の両方を加速させる中、NETSCOUTは組織が最も重要な資産を確実に保護するために必要な規模、インテリジェンス、そして運用上の回復力を提供することに引き続き尽力していく」としている。

編集部備考

■今回の発表で注目すべきなのは、Arbor CloudのDDoS緩和能力を33Tbpsへ拡張したという数字そのものだけではなく、その背景にある「運用レジリエンス(Operational Resilience)」という考え方だ。

 従来のDDoS対策は、どれだけ大規模な攻撃を防げるかという防御性能が評価の中心だった。しかし、AIの活用が業務システムやクラウドサービス、通信インフラへ広がる中では、サービス停止が企業活動や社会インフラに及ぼす影響はこれまで以上に大きくなっている。重要なのは「攻撃を受けないこと」ではなく、「攻撃を受けてもサービスを継続できること」へと評価軸が変わりつつある。
 そのため、DDoS対策も従来のセキュリティ機能の進化としてだけではなく、ネットワーク全体の継続運用を支えるインフラとして位置付けられるようになってきた。今回の設備増強も、AI時代のサービス品質を維持するための基盤強化と捉えることで、その狙いがより明確になる。

■この変化は、通信事業者におけるクラウド型DDoS対策サービスの役割にも影響を与えつつある。
 これまでクラウドスクラビングサービスは、ISPや通信事業者が提供する付加価値サービスという位置付けが強かった。しかし、金融、公共、医療、製造業に加え、AIサービスそのものが社会インフラとして利用されるようになると、DDoS対策は個々の企業を守るためだけではなく、社会全体のデジタル基盤を支える役割を担うようになる。

 その結果、求められる軸として、機器単体の性能の他、世界各地に分散配置されたスクラビングセンターや大容量バックボーン、24時間体制の運用などを組み合わせたサービス基盤全体の信頼性も重視されるようになった。クラウド型DDoS対策は、電力や通信網と同様に、社会インフラを継続的に運用するための基盤へと位置付けが変わりつつあると言える。

(OPTCOM編集部)

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