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FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-3】5G本格導入前夜の動向最前線

INTERVIEW 有料

富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
代表取締役社長
國兼 達郎氏

コースリーダー:
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
國兼 達郎
サブコースリーダー:
キーサイト・テクノロジー(同)
佐藤 利宏

 バルセロナにおける先般のMWCの盛況でも明白な通り、5Gの用途はいまや携帯電話会社の一通話サービスに留まらない。自動車や各種センサを用いたM2M等、あらゆるものを遅滞無く接続する「真のIoT」実現に向けて、主要各国の導入が既に目前にまで迫っている。もちろん、膨大な末端の各種サービスのみならず、基幹となる通信市場においても幹線のバックボーン増強やフロントホール・基地局のネットワークソリューション構築等の恩恵は計り知れない。本コースでは、光通信の基幹的な立場から改めて5Gを捉え直してみるべくセッティングされた。コースリーダーの國兼氏は「今回のコースでは、5Gのベースとなる光通信技術を、サービスレイヤ、システムレイヤ、コンポーネントレイヤの三者の立場から詳らかにしてゆく。どのような立場の方からも理解しやすいバランスの取れたセッションの配置となった」と語っている。各種サービスへのビジネス展開を考えるためには、基幹の構造や今後の可能性を押さえておく必要があるだろう。システム・コンポーネント・デバイスベンダはもちろん、携帯電話キャリア以外のサービスレイヤに位置する方々も一聴の価値のあるコースと言えるだろう。

5G最新動向と展望
(株)NTTドコモ
先進技術研究所 5G推進室
室長 主席研究員
中村 武宏

 先のMWCでも議論されたことだが、世界の有力通信事業者が総じて5Gへの展開を図る中で、日本国内ではやはりNTTドコモの話は外せない。特に、東京五輪に向けて本格サービスに一歩先んじる動きもある中で、ドコモの5G推進室長から直接話を聴くことの出来る機会は貴重だろう。「まずは、サービスレイヤの立場から中村氏より話をして頂く。中村氏はテクノロジーからアプリまで精通されている方で、システムの標準化から実証実験デモの実績、アプリではパートナー連携の模索までされている。5Gでベースとなるのは、コンシューマへの拡がりだろう。4Gに比べると、自動車など様々な情報端末を絡めた真の意味でのIoTの実現への寄与が期待される。中村氏からは、5G実現へのフォーキャストと共に、サービスレイヤの立場から今後のサービス展開のビジョンまで具体的に解きほぐして頂けるだろう」と國兼氏は語る。

5Gフロントホールにおける次世代ソリューション
Huawei Technologies Co., Ltd.,
Transport Product Line,
Chief Solution Architect,
Guangxiang Fang

 世界で一番早く5Gを導入する国は中国と目されている。過去3G或いは4G導入の際、中国は独自規格を優先して打ち出してきたが、結局は世界標準規格に合わせてきた経緯もある。いまや世界で一、二を争うシステムベンダとなったHuaweiだけに、同社の提案する5Gフロントホール光伝送ソリューションは単に25/50/100G WDMのシステム機器のコストリダクションを想定した話ではないだろう。コースリーダーの國兼氏は「Fang氏はマーケッターではなくアーキテクチャ、光伝送の研究を続けてこられた方だ。彼にシステムレイヤの立場からフロントホールの最新光技術の話をして頂く。もちろんHuaweiは中国において5Gを推進する主力ベンダだが、その技術の全てが中国限定ではない。Huaweiは、新興国を含めた世界にシステムを供給している。当然、5Gフロントホールに低コスト50/100Gソリューションの要望は市場からあるだろうが、単なるコストの話ではなく「どのような仕様が望まれるのか」を同社が構築する光伝送ソリューションから理解することが必要だ。世界で一番早く5Gを展開することが予想される国のメインプレイヤーなので、基調講演のCMCCの講演と相俟って、オプティクスとしてはインパクトのあるセッションだと思う」と期待を寄せる。

5Gに向けた最先端光トランシーバ技術動向
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
オプティカルコンポーネンツ事業部 第一商品部
プロジェクト課長
田中 俊毅

 富士通の情報通信事業は、世界の最先端技術におけるトップランナーであり続けると共に、常にオリジナルの技術開発を続けてきた。そのひとつがDMT(Discrete Multi-Tone)変復調方式だ。この技術は、コヒレントを利用せず光デバイスの帯域活用を目指して100G低コスト化の選択肢のひとつとして開発された。FOCでは、DMT技術をモバイルフロントホール低コスト化への転用も考えているようだ。國兼氏は「最後はコンポーネントベンダからのセッションだ。FOCからモバイル向け光トランシーバの最新動向を紹介しつつ、100G低コストソリューションのひとつの選択肢としてDMT技術の紹介もさせて頂く。100Gの2-10km伝送で業界に一石を投じた技術でもあり、PAM-4との比較も興味深いだろう」と語っている。

 
(OPTCOM編集部 井上政基)

FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー:目次

【FOE-K】5G・データセンタ・IoTにおける光通信の最新技術トレンド

【FOE-1】IoT時代を支える光ネットワーク技術と光通信市場の最新動向

【FOE-2】 光トランシーバのマーケット動向、および最新技術動向

【FOE-3】5G本格導入前夜の動向最前線

【FOE-4】超高速通信を実現する電気/光インタフェースの最新動向

【FOE-5】超高速大容量通信を支える光機能集積技術の最新動向をひもとく!

【FOE-6】社会の変化から読み解く光ファイバ・ケーブル・ネットワークの動向

【FOE-7】最新データセンタの現状と今後の展望

【FOE-8】5Gネットワーク技術と応用 ~自動運転から 4K・8K超高精細映像、VRまで~

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