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FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-5】超高速大容量通信を支える光機能集積技術の最新動向をひもとく!

INTERVIEW 有料

古河電気工業(株)
情報通信ソリューション統括部門
ファイテル製品事業部門
事業部門長
太田 寿彦氏

コースリーダー:
古河電気工業(株) 太田 寿彦
サブコースリーダー:
日本電気(株) 田島 勉

 Beyond 100G光ネットワークの経済性に貢献する次世代光デバイスには、小型・大容量化、そして熱対策も含めた省電力化が求められる。デジタルコヒーレントにより構成が複雑になった変復調器では光集積技術の高度化が鍵となり、次世代に向けたシリコンフォトニクスやInP技術の開発が進んだ。このセッションでは通信キャリアと2社のベンダが登壇し、それぞれの視点で光集積技術の最新動向が語られる。太田氏は「シリコンフォトニクスのCOSAが出てきたこともあり、InP側の集積技術も加速された。2018年はこうした集積技術が次世代トランシーバの開発に組み込まれる事例が増えることも期待できるので、集積元年となるのではないか」と話す。

デジタルコヒーレント光通信を支える光集積技術
日本電信電話(株)
デバイスイノベーションセンタ 所長
金子 明正

 デジタルコヒーレント光通信技術は2012年の実導入以降、世界規模で急速に発展し、今後もAU、IoT、5Gを支える基盤技術として期待されている。この講演では、それを支える光デバイスの更なる高速化と小型化を実現する光集積技術の最新動向を、通信事業者の視点からレビューする。太田氏は「NTTデバイスイノベーションセンタの所長である金子氏から、光集積技術に対するNTTの活動全般についてお話しいただく」としている。
 金子氏は石英平面光回路(PLC)、AWG、TOSWなど様々な実用光デバイスの開発に携わってきた人物で、2013年以降はNTT研究所にてデジタルコヒーレント通信用光デバイスの研究開発を総括している。NTTにはシリコンフォトニクスを活用したCOSAのように、トランシーバの抜本的な小型化を実現する技術もある。今回の講演で金子氏がどの技術をピックアップするのか注目したいところだ。

小型コヒーレントトランシーバ向けInP系モノリシック集積光デバイス
住友電気工業(株)
伝送デバイス研究所 主席
八木 英樹

 ここではベンダ側の視点として、住友電気工業から光集積技術の最新動向が語られる。太田氏は「デジタルコヒーレント系、そしてクライアント系にも強い同社の視点から、InP系の光集積技術を語っていただく」と話す。
 400 Gbpsを超える大容量コヒーレント伝送システムの実現では、レシーバに搭載する受光素子における64 GBaud動作に向けた広帯域化と、小型・低消費電力トランシーバへの適用に向けた高受光感度との両立が求められている。住友電気工業はInP系モノリシック集積技術を用いた集積光デバイスの開発を進めており、例えば低濃度n-InPバッファ層によるモノリシック集積素子を用いた64 GBaud向け小型コヒーレントレシーバの研究論文を学会で発表している。登壇する八木氏は同社の伝送デバイス研究所 高集積プロセス研究部 主席として研究に携わってきた人物なので、講演では集積技術の最新情報、そして今後の展望が期待できる。

光集積回路の接続技術の動向と課題
OFS Fitel, LLC
New Business Development,
Director,
Daryl Inniss

 新たなフォトニクス集積回路(PIC)やシリコンフォトニクスなどの材料系が登場したことで、ファイバをチップに繋げる新しいソリューションも必要となった。この講演では、光集積化やPIC接続性に対する将来の需要について検討する。
 登壇するInniss氏はOFSで新規事業開発担当シニアマネージャーを務めており、2016年に『Silicon Photonics(シリコンフォトニクス)』(共著)を出版。以前は、市場調査会社のOvumとRHKでコンポーネントプラクティス担当リーダーを務めていたこともあり、その鋭い分析力には定評がある。太田氏は「ここではシリコンフォトニクスの課題として、デバイスの小型化に対する接続や出力のポイント、そして市場動向に触れてもらう。例えば、シリコンフォトニクスには何でもできるというイメージが先行してしまっている傾向にあるので、システムに組み込んで実用化する技術について、各メーカーがどのレベルまで進んでいるのかは興味深い」と話している。

FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー:目次

【FOE-K】5G・データセンタ・IoTにおける光通信の最新技術トレンド

【FOE-1】IoT時代を支える光ネットワーク技術と光通信市場の最新動向

【FOE-2】 光トランシーバのマーケット動向、および最新技術動向

【FOE-3】5G本格導入前夜の動向最前線

【FOE-4】超高速通信を実現する電気/光インタフェースの最新動向

【FOE-5】超高速大容量通信を支える光機能集積技術の最新動向をひもとく!

【FOE-6】社会の変化から読み解く光ファイバ・ケーブル・ネットワークの動向

【FOE-7】最新データセンタの現状と今後の展望

【FOE-8】5Gネットワーク技術と応用 ~自動運転から 4K・8K超高精細映像、VRまで~

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