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FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-1】IoT時代を支える光ネットワーク技術と光通信市場の最新動向

INTERVIEW 有料

(株)フジクラ
光ケーブルシステム
事業部
副事業部長
和田 悟氏

コースリーダー:
(株)フジクラ 和田 悟
サブコースリーダー:
住友電気工業(株) 金森 弘雄

 FOE-1は毎年恒例のマーケットリサーチのコースとなっている。光通信マーケットにおいては近年OTTの投資増加が叫ばれているが、今年の本コースでは、OTTのデータセンタ建設を背景としたマーケット及び技術トレンドにやや比重を置いている感がある。それも当然で、データセンタ建設需要は、北米は勿論いまや世界中で急伸しており、日本においても確実に成長している。世界的には光通信市場の主役が従来の通信キャリアからOTT等のプレイヤーに移行しつつあり、サプライヤサイドからのアプローチも戦略的転換を求められてきているのは明白だ。戦略立案に必要なのは、まずマーケットの正確な状況把握であることは議論を待たない。さらに、そのマーケットをドライヴさせてゆくために、IoT等の概念を有機的或いは実用的に絡めて最適な光ネットワークサービスを提供してゆくことが現状の喫緊の課題と言えよう。本コースは、今後の光通信市場がどのような方向へ向かってゆくのか、そのフォーキャストに向けてどのような最新技術を具体的に適用してゆけばよいのかを我々が知るための羅針盤となるはずだ。

光ネットワーク技術の最新動向とIoTを活用した事業変革について
NTTコミュニケーションズ(株)
経営企画部
IoT推進室
室長
宮川 晋

 まず、光通信マーケット全体を理解する前に、マーケットトレンドを左右する技術動向を押さえておく必要がある。口開けのセッションは、日本を代表するネットワークサービス企業のNTTコミュニケーションズだ。コースリーダーの和田氏は「宮川氏はNTTコミュニケーションズにおけるネットワークエヴァンジェリスト、つまりネットワーク技術の筆頭格にあたる方であり、また開発統括もされている。最近ではSDNの開発も統括、事業化されている。NTTコムでは一般的なSDNのみならずWAN/LANをもSoftware Definedによって設備利用効率向上やネットワークの高速化を図る試みがなされている。今回のコースでは、そうした同社の開発内容も含め、光ネットワーク技術の最新動向を来場者の方々にお届けしたい。また、NTTグループはネットワークサービス或いはICTサービスの観点から顧客の事業変革(Digital Transformation)を如何に実現してゆくかという取り組みを推進している。端末を有線或いは無線で繋ぐことで管理されたIoTツールを、ネットワーク・クラウドでリアルタイムに状況把握を行いつつ如何に事業改革に寄与していくかを実例等含めて語って頂くことで、来場者の皆様への事業改革の提言とさせて頂きたい」と期待を寄せる。

光ネットワーク及び光コンポーネント市場の最新動向
Ovum Components,Transport and Routing,
Practice Leader,
Ian Redpath

 二番目のセッションは、本セミナーでもお馴染みのOvumとなっている。「光ネットワークにおけるOTTの投資額は年々右肩上がりになっており、海底ケーブルも自前で敷設してきている。ここ数年で通信キャリアを上回る様相を呈しているが、そうした現状を踏まえて光ネットワークの技術やプレイヤーの最新動向をお伝えして頂く。光コンポーネントに関しては、次世代光トランシーバの動向も含めた話となるだろう」と和田氏は語っている。
 近年の海外における光通信関連の展示会を見ている限り、通信キャリアからOTTへの主役交代は顕在化していると言っていい。そのような中で、GoogleやFacebook等の主要OTT間で採用する次世代トランシーバの規格も分かれており、乱立する各MSA間でも活発な議論が行われているのが現状だ。コンポーネント/トランシーバのハードウェアからHSDCにおけるDCI市場の最新ネットワークアーキテクチャまで、OTT中心に転化したマーケットの包括的な理解をしておくには、本セッションは必聴と言えよう。

光相互接続(光ネットワーク接続や光コンポーネント等)技術における展望と課題
Huawei Technologies Co., Ltd.
Board Design Engineering Dept.,
2012 Lab.,
Chief Strategy and Technology Planner,
Yuan Zhang

 Ovumのセッションが主にマーケットトレンド分析であるのに対して、本セッションは技術トレンド分析がメインとなる。「Huaweiは光伝送機器では世界第二位、基地局では第一位の言わずと知れた大手ベンダだ。そのようなベンダがマーケットに要求されて適応してゆく高密度化・高速化・低コスト化への各対応を紹介して頂く」と和田氏は語る。各国政府筋の通信キャリアのみならず、民間の各OTTに対するシステム・コンポーネントベンダは低コスト化へは勿論、より多様性に富んだ各種の要求にも対応してゆかねばならない。Huaweiのようなビッグベンダに対して、どのような要求が投げかけられどのような対応がなされているのか知ることは、日本のプレイヤーにとっても良いケーススタディとなることであろう。

 
(OPTCOM編集部 井上政基)

FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー:目次

【FOE-K】5G・データセンタ・IoTにおける光通信の最新技術トレンド

【FOE-1】IoT時代を支える光ネットワーク技術と光通信市場の最新動向

【FOE-2】 光トランシーバのマーケット動向、および最新技術動向

【FOE-3】5G本格導入前夜の動向最前線

【FOE-4】超高速通信を実現する電気/光インタフェースの最新動向

【FOE-5】超高速大容量通信を支える光機能集積技術の最新動向をひもとく!

【FOE-6】社会の変化から読み解く光ファイバ・ケーブル・ネットワークの動向

【FOE-7】最新データセンタの現状と今後の展望

【FOE-8】5Gネットワーク技術と応用 ~自動運転から 4K・8K超高精細映像、VRまで~

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