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FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-8】5Gネットワーク技術と応用 ~自動運転から 4K・8K超高精細映像、VRまで~

INTERVIEW 有料

アンリツ(株)
取締役 専務執行役員
計測事業グループ
プレジデント
計測事業本部長
濱田 宏一氏

コースリーダー:
アンリツ(株)濱田 宏一
サブコースリーダー:
NTTアドバンステクノロジ(株)界 義久

 このコースでは、5G時代のアプリケーションの観点から講演される。ネットワークインフラの観点からセッションが組まれる傾向にあるFOE専門技術セミナーの中では、一線を画したコースだ。濱田氏は「今まで無線と有線のネットワークは別々に進化してきた。これが低遅延や高信頼性の求められる5Gになると、アプリケーションと無線と有線ネットワークがEnd to Endできちんと繋がっていないとサービスができない。例えば運転中にネットワークが切断するようでは自動運転が実現できないので、接続を担保しながら無線によるEnd to Endのコントロールをしなくてはならない。この事例を考えただけでも、無線だけ、有線だけと、個々の部分だけを見てビジネスに取り組むことの危機意識は業界で高まっている。5G時代では、ビジネスの全体像を見る必要があるだろう」と話す。

自動運転/自動車IoTのための情報プラットフォームとその動向
名古屋大学
未来社会創造機構
大学院情報学研究科
教授
高田 広章

 自動運転/自動車IoTを実現する情報プラットフォームであるダイナミックマップの必要性と、その研究開発動向について解説する。
ダイナミックマップは、高精度道路地図の上に、車両や歩行者の現在位置や移動状況、信号の現示や渋滞・事故といった交通状況などの動的な情報をリアルタイムに管理する。自動運転には必須の基礎技術であり、自動運転の実用化時期を占う意味でも、その研究開発動向は注目されている。また、ダイナミックマップの研究にはエッジやクラウドも含まれるので、5G時代のネット―ワークアーキテクチャを占う観点でも、この講演は有意義だろう。
 登壇する高田氏は、名古屋大学の未来社会創造機構で教授を務めている。組込みシステム開発技術の研究に携わっており、オープンソースのリアルタイムOS等を開発するTOPPERSプロジェクトの主宰や、名古屋大学発ベンチャ企業APTJを設立して代表取締役会長・CTOを務めるなど、精力的に活動している。濱田氏は「自動車の情報プラットフォーム研究において非常に有名な方だ。講演ではどのような点をピックアップされるのかも楽しみにしている」と話す。

5Gの可能性と展望、KDDIの取組み
KDDI(株)
技術統括本部
モバイル技術本部
シニアディレクター
松永 彰

 ここではKDDIより、5G時代に実現を目指す世界観、5Gの可能性、ネットワークの主な技術的なチャレンジ、4K/8KやVR等の映像への応用、移動環境での利用等、5Gの実証試験等の取組み等について紹介される。
 登壇する松永氏はKDDI技術開発本部で5G等の移動体通信の新技術の開発等に携わっている他、5GMF技術委員会委員長代理を務めている。濱田氏は「4K/8K伝送に精通されている方だ。今回の講演では映像も含めKDDIの取組みを幅広く語っていただく」と話す。
 KDDIの取組みとしては、例えば今年1月にはJR東日本と共同で5GとVRを使ったイベントを行っている。これは東京都の上野駅で装着するVRゴーグルと、宮城県三陸沖の商店街を映す4K解像度の360度カメラをリアルタイムで接続したもので、一般参加のイベントにおけるインタラクティブなコミュニケーションに、日本で初めて5Gを使ったものとして注目を集めた。松永氏はこのイベントにも携わっているので、今回の講演では技術的な話だけでなく、一般の体験者の反応などリアルな話も期待できそうだ。

先進事例から学ぶVRの今後の可能性
ソフトバンク(株)
新規事業開発室
事業開発部
VR事業推進課
課長
加藤 欽一

 VRへの期待が世界で高まる中、光ケーブル普及率の高い日本はVRが広がる土壌としてアドバンテージがある。しかしながら、海外に比べHMDの普及が進まず、取り組む企業にとって大きな課題があるという。これが5G時代になるとどう変化するのか。講演では、市場動向や最新の活用事例、期待される5Gとの組み合わせなど、VRの実用が期待される領域や可能性について紹介される。
 登壇する加藤氏はソフトバンクの技術部門で携帯電話のエリア対策に約20年従事し、現在はVR事業の推進に取り組んでいる。地下鉄エリア化でモバイルPJアワードの受賞歴もある人物なので、講演では無線ネットワークインフラの知見と最新のVRに精通した知見を併せた見解を聴くことができるだろう。濱田氏は「加藤氏はSBアカデミア(後継者プログラム)の首席であり、新規事業を先導する能力に長けた人物として高く評価されている」と話している。
 
(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー:目次

【FOE-K】5G・データセンタ・IoTにおける光通信の最新技術トレンド

【FOE-1】IoT時代を支える光ネットワーク技術と光通信市場の最新動向

【FOE-2】 光トランシーバのマーケット動向、および最新技術動向

【FOE-3】5G本格導入前夜の動向最前線

【FOE-4】超高速通信を実現する電気/光インタフェースの最新動向

【FOE-5】超高速大容量通信を支える光機能集積技術の最新動向をひもとく!

【FOE-6】社会の変化から読み解く光ファイバ・ケーブル・ネットワークの動向

【FOE-7】最新データセンタの現状と今後の展望

【FOE-8】5Gネットワーク技術と応用 ~自動運転から 4K・8K超高精細映像、VRまで~

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