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ローデ・シュワルツとTSN Systemsが、車載Ethernetにおけるナノ秒精度のレイテンシ計測を実現

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 ローデ・シュワルツは7月15日、TSN Systems社と協力して、車内ネットワークのLayer 1~3についてナノ秒レベルの高い精度での時間測定を必要としているエンジニアに向け、総合的なテストソリューションを用意したことを発表した。(抄訳提供:MEPAX。7月23日)
 この連携に際し、ローデ・シュワルツはR&S RTOを基にした専用オシロスコープ・ソリューションを準備し、一方のTSN Systems社はネットワークへのハードウェア・インターフェースであるTSN Boxと測定・解析ソフトウェアのTSN Toolsを用意した。
 このテストシステムでは、トーカー/リスナーおよびテスト・アクセス・ポイント(test accesspoint:TAP)機器として動作 するTSN Box 3.0で構成した車載Ethernet 100BASE-T1の通信リンクをモニタリングする。TAP機器であるTSN Box 3.0が、Layer 2およびLayer 3に基づくTSN Toolsによって情報をPCへと送信する。そこで、このTAPによって、物理層遅延の2倍にあたる1.5 μs ±10 nsという遅延を与える。これに対して、R&S RTOオシロスコープをR&S RTx-K35バス測定・統計オプションと合わせて用い、車載Ethernet信号の物理層(Layer 1)における時間精度を測定・検証しました。平均遅延時間は、最大偏差±10.2 nsのもと正確に1.5 μsと測定された。さらに、TSN Box 3.0によってQbvトラフィック(IEEE802.1)を500 μsのサイクルタイムで生成したところ、そのジッタは8~20 nsとなり、これもTSN ToolsとR&S RTOの両方で確認された。
 TSN ToolsとTSN Boxを組み合せると、タイム・センシティブな車載Ethernetのテストと検証に取り組むための広範な機能が整う。TSN ToolsがPC用解析ソフトウェアとして可視化やさらに詳細な分析を行う一方、TSN Boxはネットワークへの高精度なインターフェースとして機能する。この構成によれば、ナノ秒精度の汎用なTSNトーカー/リスナー機器として動作させることが可能だ。またTAPは、ネットワークのgPTPマスターに対してトランスペアレントに同期させることができる。そのため、ペイロードのタイムスタンプとTAP時刻の相互性が求められるアプリケーションに非常に有効だ。

 対してR&S RTO オシロスコープのR&S RTx-K35ソフトウェアオプションは、高精度なレイテンシ計測を可能にする。たとえば長期にわたって2台の機器間の通信をモニタリングし、パケットの誤り率に加えてフレームタイミングの統計情報も提供する。また、その間のリンクとしてR&S RT-ZF7テスト・フィクスチャを機能させると、同オシロスコープを用いて送信/受信機器間の双方向な完全モニタリングが可能になる。

 適切なデコードオプションと組み合わせることで、100BASE-T1の時間データをフレームごとに測定でき、フレーム誤り率や誤りが連続する割合など、エンジニアは全てのバスエラーを取得できる。さらに、車載EthernetやCAN、CAN-FD、LIN、I2C等のあらゆる自動車向けシリアルバス・プロトコルについても精密な時間測定を実行可能だ。
 ローデ・シュワルツ 自動車市場セグメント担当マネージャーのDr. Nik Dimitrakopoulos氏は「当社の製品ラインナップは、自動車産業に大きな重点を置いています。そのため、当社オシロスコープ製品シリーズにR&S RTx-K35オプションを加えていただければ、様々な車載通信プロトコルでの正確な時間計測が可能になる。今回、TSN Systems社のTSN Box 3.0機器における時間情報の検証をサポートできたことを非常に光栄に感じている」とコメントを出している。
 TSN Systems社の社長であるJuergen Scheuring氏は「次世代のEEアーキテクチャではタイム・センシティブな通信が登場し、OEMメーカーやティア1のテスト・検証部門にとって非常に大きな課題が持ち上がっている。こうした状況にあって、ローデ・シュワルツと協力し、そのLayer 1の分析が可能なクラストップレベルの製品やTSNに関する高度な専門知識の強みを活用できることはとても幸せなことだ」とコメントを出している。

ローデ・シュワルツのR&S RTO

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