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Industry 4.0プラットフォームumatiをサポートした、スマートファクトリ向けプロトコルコンバータ【サイレックス】

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工場のDX・スマートファクトリ対応による変革をシンプルにサポート

FBR-100AN

 サイレックス・テクノロジー (以下、サイレックス)は3月3日、CNC工作機械向けプロトコルコンバータ『FBR-100AN』用のOPC UA/umati対応プログラムを開発したと発表した。同プログラムは、『FBR-100AN』標準モデルへのアップデートプログラムおよび有償アクティベーションキーとして3月15日より提供を開始するという。(情報提供:@Press)

 『FBR-100AN』はCNC装置とダイレクトに接続することで工作機械の稼働情報を収集。従来から搭載しているMTConnect通信機能に加え、同プログラムによりOPC UA/umatiに対応したOPC UAクライアント対応の上位モニタリングシステムへの稼働情報の転送を可能にし、スマートファクトリの実現に貢献する。
 同プログラムは、ドイツ工作機械工業会(VDW)とドイツ機械工業連盟(VDMA)が2020年9月に標準化したIndustry 4.0プラットフォームの工作機械向け共通インタフェース「umati」をサポート※1しており、商用展開される汎用コンバータ※2として世界初(サイレックス調べ)の製品となる。

※1:umatiインタフェースを規定したOPC 40501-1 UA for Machine Tools ver.1.0仕様およびその必須機能をサポート。
今後、OPC UA FoundationからリリースされるOPC 40501-1 CTTコンプライアンステストツールへの対応を予定。

※2:リリース時はファナック社製CNC装置およびそれを搭載した各社工作機械に対応。順次他社機への展開も検討している。

FBR-100ANを使ったイメージ

 工場モニタリングシステムの実現にあたっては、従来PLC(プログラマブルロジックコントローラ)やHMI(ヒューマンマシンインタフェース)装置が先行してシステムに統合されていた。他方、工場加工ラインにおいては各CNC装置・工作機械メーカ毎に通信仕様・稼働データ形式が異なるため、これらの機器を既存のシステムと統合することは困難だった。

 既にOPC UAで通信仕様が統一されているPLC(OPC UA/PLCopen)やHMI、また、射出成型機(OPC UA/EUROMAP)といった各種OPC UA対応機器に、今回『FBR-100AN』により工作機械(OPC UA/umati)が加わることで一元的なスマートファクトリ環境の実現が期待される。また、工作機械メーカやFAシステムインテグレータは既存工作機械に対する後付けソリューションとして活用できるため、自社ユーザからのシステム接続要望や将来的なIndustry 4.0準拠への期待にシンプルに応えることができる。

『FBR-100AN』OPC UA通信機能の利用イメージ

『FBR-100AN』およびOPC UAアクティベーションプログラムの特長

  • ファナック社製CNC装置およびそれを搭載した各社工作機械に対応
  • OPC UAサーバ機能(OPC UA for Machine Tool)およびumati情報モデルに対応
  • OPC 40501-1 UA for Machine Tools ver.1.0規定の必須ProfileおよびFacetに対応
  • 複数の通信インタフェースをサポート
  • 有線LANx2/無線LANx1(2.4, 5GHz) / シリアルx1(DPRNT※4) / デジタル入力※4
  • 工場利用を想定した耐環境性仕様および日本・米国・カナダ・欧州の製品認可に対応済み

※4:プログラムのリリース時は未対応。

今後の展開

 グローバル化による競争の激化とともに、日・米・欧・中の各地域で次世代工場への取り組みが強化され、工作機械のIoT対応と工場全体のスマートファクトリシステムへの結合が求められている。さらに昨今のCOVID-19による工場の自動化・無人化といったDXの必要性により、この流れはさらに加速することが確実視されている。
 サイレックスは「既に発売中の『FBR-100AN』標準モデル(北米工作機械市場でデファクトスタンダードとなっているMTConnectプロトコルをサポート)と合わせ、今回リリースするOPC UA/umati機能により国内外でのスマートファクトリ対応を希望する工場ユーザ・工作機械メーカ双方に『FBR-100AN』および本プログラムを広く販売していく」との考えを示している。

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