住友電気工業（以下、住友電工）は8月5日、タイ・Genius Traffic System（以下、Genius）から、タイ・バンコク都内におけるプローブ情報を活用した信号制御の実証実験を受注したことを発表した。
　実証実験の実施は2022年2月から1か月程度を予定。

　現在、一般的な交通管制システムにおいては、信号制御に必要となる渋滞長の情報は、路上に設置されるセンサを主に用いて収集・計測している。この方法は、センサ設置や維持管理に費用と時間がかかることもあり、途上国などでは交通管制システムの普及が進まない原因のひとつとなっている。
　この問題を解決する手段のひとつとして、自動車が走行した位置や車速などのデータを収集して得たプローブ情報を活用することが、センサ情報に比して価格、情報収集範囲の広さで優れており、有効と考えられている。

　住友電工は、これまでGeniusに対してプローブ情報を用いて信号機の制御を行うことを提案してきた。Geniusはこの提案も踏まえ、バンコク都の交通渋滞改善プロジェクトにおいて、同社が構築するシステムを活用した実証実験を行うこととなったという。
　この実証実験では、TomTomが保有するプローブ情報をオンラインで取得して信号機の制御や渋滞情報の提供を行い、センサを用いる場合との比較検証を行うこととしている。その中で住友電工は、TomTomからのプローブ情報の受信および信号機の制御に関わる部分をGeniusから受注した。

プローブ情報を活用した信号制御の実証実験(イメージ)