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シスコ調査:ハイブリッドワークにおける未登録デバイスの使用が、セキュリティ上の脅威に

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日本国内では、半数以上の組織が未登録デバイスで業務プラットフォームにログインしていると回答

 シスコシステムズ(以下、シスコ)は1月12日、世界各国のサイバーセキュリティ担当者を対象に行った調査レポートの結果を発表した。
 シスコは「今回の調査では、ハイブリッドワークの導入が事業継続性を確保する一方で、従業員が未登録デバイスを使用して業務プラットフォームにアクセスすることが、日本の企業にとってセキュリティ上の新たな課題となっていることが明らかになった」と指摘している。

 調査によると、日本の調査回答者の約 6 割(59%)が、自社の従業員が未登録デバイスを使用して業務プラットフォームにログインしていると回答。また、57%の回答者は、従業員が 1 日の業務時間の10%以上を未登録デバイスから作業していると回答しているという。
 セキュリティ担当者はこうした業務慣習に伴うリスクを認識しており、日本の調査回答者の78%はハイブリッドワークのためにリモートでログインすることで、サイバーセキュリティ インシデントの発生の可能性が高まったと回答している。
 従業員は自宅、近所のカフェなど複数のネットワークから業務プラットフォームにログインするため、この問題はより一層複雑化している。日本の調査回答者の約 64% は、従業員が業務プラットフォームにログインするために少なくとも2つのネットワークを、19% は 6 つ以上のネットワークを利用していると回答している。

 このレポートは「My Location, My Device: Hybrid work’s new cybersecurity challenge」(マイロケーション、マイデバイス:ハイブリッドワークがもたらすサイバーセキュリティの新たな課題)と題し、世界27 ヵ国、6,700 人のセキュリティ責任者に調査を行ったもの。未登録デバイスや安全性が確保されていないネットワークを使用して業務プラットフォームにアクセスすることに対するセキュリティ専門家の懸念や、そのような行為に伴うリスクについて強調している。
 シスコの専務執行役員 アジア太平洋地域 セキュリティ事業担当である濱田義之氏は「ハイブリッドワークの常態化に伴い、企業は従業員がどこからでも働ける環境を整えている。これは多くの利点をもたらす一方で、特にサイバーセキュリティの面では新たな課題が生じている。従業員がどこから、どのようなデバイスを使用してログインするかを把握していない企業では、脅威はどこからでも発生する可能性がある」とコメントを出している。

 シスコは「ハイブリッドワークを長期的に本当の意味で成功させるには、企業は事業を守るためのセキュリティレジリエンスについて考える必要があり、オンプレミスかクラウドかを問わず、ネットワーク上の脅威を発見、阻止、対処できなければならないということだ」と強調している。
 未登録デバイスの使用は、セキュリティ専門家が現在の巧妙な脅威の状況に対処する上で新たな課題が生じている。日本の調査回答者の約24%は、過去1年間にサイバーセキュリティ インシデントが発生したと回答している。発生したインシデントの種類としては、フィッシング、マルウェア、中間者攻撃が上位3つを占めている。
 また、インシデントに見舞われた回答者のうち、10万米ドル以上のコストが生じたと答えた人は63%、50万米ドル以上のコストが生じたと答えた人は32%だった。
 さらに、日本のセキュリティ担当者の 72% が今後 1~2 年の間に事業に支障をきたすサイバーセキュリティ インシデントが発生する可能性があると述べている。その一方、内外の脅威から会社を守るための対策も進んでいるという明るい兆しも見られるという。
 課題をよく認識した上で、日本のセキュリティ担当者の 66% は自社が今後1年間にサイバーセキュリティ予算を 10% 以上増額すると考えており、80% は今後 2年以内に IT インフラのアップグレードを行うと予想している。
 
「My Location, My Device: Hybrid work’s new cybersecurity challenge」の調査方法
 このレポートは、全世界の従業員数10~1,000人以上の組織でサイバーセキュリティを担当する6,700人のビジネスリーダーとITリーダーに対して、シスコが行った独自調査の結果に基づいて作成されている。すべてのインタビューは2022年8月から9月にかけて、南極大陸をのぞくすべての大陸にまたがる27の市場を代表する回答者にオンラインで行われたという。

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