アンリツが、ネットワーク試験装置に100ZRコヒーレント光トランシーバの評価機能を追加。データセンタ間接続と次世代ネットワーク構築を加速
テレコム 無料アンリツは10月16日、通信ネットワークの検証・開通・保守試験に対応したポータブルテスタ「ネットワークマスタ プロ MT1040A/MT1000A」に、次世代光伝送規格である100ZRコヒーレント光トランシーバ(通信規格:QSFP28)の通信性能試験に対応する機能を追加したと発表した。
100ZRは、省電力とコスト削減を実現する次世代光伝送規格として、データセンタ間接続やアクセスネットワークの高度化を実現する。今回の機能追加により、100ZR光伝送の品質検証を効率化し、信頼性の高いネットワーク構築を支援する。
さらに、既存の100GイーサネットやOTU4試験で実現済みの時系列可視化機能を100ZRでも利用できるため、これらの試験を組み合わせることで100ZRトランシーバのコヒーレント伝送品質を詳細に確認できる。

「ネットワークマスタ プロ MT1040A/MT1000A」
開発の背景
100/400ZRは、光ネットワークにおけるコヒーレント伝送技術を用いたプラガブル型トランシーバの規格で、省電力かつ低コストでWDM化を実現する技術として注目されている。
データセンタ間接続では、生成AIやクラウドサービスなどの急速な普及により、広帯域が必要となるため400ZRが採用される。一方、都市部の通信網のメトロネットワークや企業・家庭向けのアクセスネットワークなど短距離の通信領域では100Gで十分な容量を提供できるため、既存の100Gネットワークに容易に導入できる100ZRの活用が期待されている。
こうしたコヒーレント光トランシーバを導入する際には、異なるベンダ製品との相互接続性や伝送品質の事前検証が不可欠だ。
アンリツは、光通信技術の標準化を推進する業界団体「OIF(Optical Internetworking Forum)」メンバーとして、2025年9月にデンマーク・コペンハーゲンで開催されたECOC2025相互接続デモに参加し、複数ベンダの100ZRとの接続実績を積み重ねている。
MT1040A/MT1000Aは、これらの実績に加えて通信品質を時系列で評価できる機能を備え、試験環境での詳細な確認を可能にする。
ネットワークマスタ プロ MT1040A/MT1000A製品概要
MT1040A/MT1000Aは、様々な通信ネットワークの開通・保守を1台で対応できるポータブルテスタだ。
MT1040A:10M~400G対応。400G FEC測定、リモート操作、自動試験に加え、2ポート400G試験も可能。
MT1000A:10M~100G対応。リモート操作や自動試験に加え、GNSS同期による高精度測定を実現。メトロやバックホールの現場作業をサポートする。
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