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Broadcomが、次世代AIネットワーク向け業界初の400G/レーン光DSPを発表。3nm 400G/レーン技術により、クラス最高の1.6Tトランシーバを実現し、3.2Tトランシーバを用いた204.8Tネットワークの基盤を構築

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 Broadcomは3月11日(カリフォルニア州パロアルト)、1.6Tトランシーバ ソリューション向けに最適化された、卓越した帯域幅密度と効率性を備えた3nm 400G/レーン光PAM-4 DSP「Taurus BCM83640」の提供開始を発表した。

 同社は「本デバイスは400G/レーンのシリアル光インターフェースを搭載しており、光トランシーバメーカは、AIデータセンタの増大する帯域幅ニーズに対応するため、低消費電力の1.6Tプラグインモジュールをコスト効率よく提供できる」と説明している。

製品特長

・モノリシック3nmプロセス、1.6T(8:4)PAM-4 DSP(レーザドライバ内蔵)
・BERと消費電力においてクラス最高のモジュール性能を実現
・Broadcomの400G EMLおよびPDとの相互運用性を実証済み
・すべてのIEEEおよびOIF規格に準拠し、チップとモジュール間の電気インターフェースにおけるLRリンクをサポート
・1.6Tから3.2Tまでの光モジュールをサポート

 400G/レーン技術は、200G/レーンアーキテクチャの次世代技術であり、高性能ネットワークおよびAIインフラストラクチャの帯域幅拡張における重要な一歩となる。Taurus BCM83640を採用した1.6Tプラグインモジュールは、光レーンあたりの帯域幅を2倍にし、1Uラックマウントシステムで実質的に102.4Tのスイッチング容量を実現することで、AI光インターコネクトの帯域幅密度を向上させる。さらに、400G/レーン光インターフェースの採用は、最終的に204.8Tスイッチに対応する400G/レーン電気インターフェースを備えた3.2Tモジュールソリューションの展開に向けた基盤となる。

 Broadcomの物理レイヤ製品部門担当ヴァイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャであるVijay Janapaty氏は「Broadcomの400G/レーンTaurus光DSPプラットフォームは、次世代AIネットワークとデータセンタ接続の基盤を築いている」とし、「業界初の400G/レーンI/Oベースの1.6T DSPであるTaurusは、レーンあたりのスループットを倍増させ、次世代の3.2T光モジュールを実現する。TaurusはIMDD技術の限界を400G/レーンまで押し上げ、消費電力をさらに削減するとともに、AIおよびクラウドネットワークにおける接続性のためのコスト最適化ソリューションという当社のロードマップを推進する」とコメントを出している。

 LightCountingのCEO 兼 創業者であるVladimir Kozlov氏は「今後5年間で1億台以上の1.6Tおよび3.2T光トランシーバが出荷されると予想しており、その約半数が400G光を採用するだろう」とし、「高速光インターコネクトはAIクラスタの運用に不可欠だ。レーンレートの倍増は帯域幅の増加に対応するための実績のある戦略であり、初の400G/レーンソリューションが登場したことを大変嬉しく思っている」とコメントを出している。

 Eoptolink TechnologyのCEOであるRichard Huang氏は「私たちの目標はイノベーションを推進することだ」とし、「Taurusは単なる製品のマイルストーンではなく、コネクティビティの未来を切り拓く触媒だ。業界初の完全機能型448G/レーン・トランシーバを提供することで、私たちは拡張性、スピード、そして可能性に満ちた新たな時代を切り拓く。Taurusベースの光トランシーバは、今日の102.4Tネットワークと次世代スイッチングネットワークをつなぎ、革新的な帯域幅の拡大を実現する。Taurusによって、私たちは単に技術を進歩させるだけでなく、448Gの未来を形作っていく」とコメントを出している。

 Broadcomは「Taurus BCM83640のサンプルを、早期アクセスのお客様およびパートナー様向けに提供開始した」としている。

編集部備考

■AIデータセンタの急速な拡大に伴い、数万規模のGPUを接続するAIクラスタでは、ネットワーク内部の光インターコネクトにこれまでにない帯域密度が求められている。こうした中で注目されているのが、光モジュールのレーン速度を400Gbpsへと引き上げる「400G/レーン」技術だ。
 Broadcomが今回発表した光DSPは、この400G/laneを前提とした1.6T光トランシーバをターゲットとしており、将来的な3.2Tモジュールへの拡張も視野に入れる設計となっている。光インターコネクトの進化は、100G/lane世代の800G、200G/lane世代の1.6Tへと段階的に進んできたが、400G/laneはその次の転換点と位置付けられる。

 興味深いのは、この高速化をコヒーレントDSPではなくIMDD(Intensity Modulation Direct Detection:強度変調直接検波)ベースのDSPで実現している点だ。AIクラスタ内の光接続は数百メートルから数キロ程度の距離が中心であり、長距離伝送よりも消費電力やコスト効率が重視される。IMDD技術の高速化によって帯域密度を高めるアプローチはこの要求との相性が良く、AIインフラにおいて効率的な選択肢となる。技術的な難易度は高いものの、今回サンプル提供が開始されたことで、400G/レーン IMDDは実装に向けた具体的な段階に入ったと見ることができる。
 一方で、400G/レーンの実装は光デバイス側にも新たな要求を突き付ける。高速化に伴い、受光素子やレーザ、ドライバなど光デバイスの性能はますます重要になるためだ。光DSPの進化は単体で完結するものではなく、光デバイス技術との連携によって初めて成立する。

 AIインフラの拡大に伴い、光モジュールは800Gから1.6T、さらに3.2Tへと進化することが予想されている。こうした進化の鍵を握るのがレーン速度の高速化であり、今回の発表は400G/レーン時代の到来を示す重要なステップと位置付けることができる。

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