Arista Networksが、12.8Tbpsの液冷式プラガブル光モジュール「XPO」を発表。XPO MSAもOFC 2026で初披露
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Arista Networksは3月12日(カリフォルニア州サンタクララ)、革新的な12.8Tbps液冷式光モジュール「XPO」に関するMSAの締結を発表した。
XPOは、オープンコンピューティングラックユニットあたり204.8Tbpsのフロントパネル密度をサポートし、1600G-OSFP光モジュールと比較して4倍の性能向上を実現する。
XPO MSAは、OFC 2026(技術カンファレンス:3月15~19日。展示会:3月17~19日。ロサンゼルス) で初披露され、Arista Networksのブースおよび多くのパートナー展示でライブデモンストレーションが行われる。
XPOは、スケールアップ、スケールアウト、スケールアクロス、メトロリーチファブリックなど、AIネットワーキングをサポートするために特別に設計されており、以下の主要なイノベーションを提供する。
スループット:プラグインモジュールあたり12.8Tbpsを実現。
ラック密度:OCPラックユニットあたり204.8Tbpsを実現。
統合型コールドプレート:モジュールあたり最大400Wの冷却能力。
汎用性:業界標準の光通信規格(DR、FR、LR、SR、ZR/ZR+)に加え、次世代Coherent-Lite、スロー&ワイド、銅線、RFマイクロ波にも対応。
柔軟性:リニア、ハーフ リタイミング、フル リタイミングのインターフェースアーキテクチャに対応。
Arista NetworksのチーフアーキテクトであるAndreas Bechtolsheim氏は「AIファブリックの帯域幅の飛躍的な拡大と液冷への移行には、新世代のプラガブル光モジュールが不可欠だ」とし、「XPOは、プラガブル光モジュールの密度、冷却能力、信頼性を根本的に向上させることで、この課題を解決する」とコメントを出している。
MicrosoftのAIシステムアーキテクチャ担当ヴァイスプレジデントであるMatthew Mattina氏は「XPOは光業界にとって重要なマイルストーンであり、プラガブル光モジュールの利点を、AIスケールアウトおよびスケールアップシステムの極めて高い帯域幅要求にまで拡張するものだ」とし、「Microsoftは、この仕様が、多様な光エコシステムを可能にする、堅牢で広く普及するフォームファクタの確立に貢献できると確信している」とコメントを出している。
Dell’Oro GroupのヴァイスプレジデントであるSameh Boujelbene氏は「XPOモジュールは、OSFPと比較してフロントパネルの密度を4倍に高めながら、プラガブル光モジュールの構成可能性と保守性を維持するという点で、AIデータセンタにとって画期的な製品です」とし、「新しい光モジュールのフォームファクタの成功は、強力なサプライヤ エコシステムにかかっている。主要な光モジュールサプライヤすべてがXPOをサポートしていることを嬉しく思っている」とコメントを出している。
編集部備考
■XPO(eXtreme Pluggable Optics)の高密度実装という方向性は、かつて光コネクタにおいてMPOが登場した際のように、実装アーキテクチャそのものに変化をもたらす可能性を感じさせる。
Arista Networksが発表したXPOは、12.8T級の帯域に対応する新たなプラガブル光モジュールであり、AIデータセンタにおける接続密度の飛躍的な向上を狙ったものと位置付けられる。同社の説明によれば、XPOは従来のプラガブル光モジュールと比較して大幅な高密度化を実現し、システムあたりの総帯域を大きく押し上げることが可能になるという。
高密度実装を軸としたアプローチの背景には、生成AIの普及に伴うデータセンタ内トラフィックの急増がある。大規模なGPUクラスタを前提とするAIワークロードでは、ノード間の通信量が従来のアプリケーションとは桁違いに増加しており、ネットワーク機器にはこれまで以上の帯域と接続密度が求められている。特にスイッチにおいては、限られた筐体サイズの中でいかに多くのポートと帯域を収容するかが、システム全体のスケーラビリティを左右する要素となっている。
同社の公式ブログでは、XPOがなければ従来のスイッチラックの数がGPUラックの数を上回る可能性がある点が指摘されている。また、光モジュールの発熱や消費電力の増大を背景に、従来の空冷前提の設計から、より効率的な冷却を取り込んだ実装への移行が必要になりつつある点も指摘されている。XPOはこうした環境変化を前提に設計されており、単なる帯域拡張にとどまらず、システム全体の実装効率を高める方向性を示している。
OFC 2026で初お披露目となるXPO MSAには、45社以上の企業が参画して推進されており、複数の出展社ブースにおけるXPO展示など、エコシステム形成を前提とした取り組みである点も注目される。AIインフラにおいては、特定ベンダに依存しない形でのスケールアウトおよびスケールアップが求められる傾向にあるため、標準化動向は技術そのものと同様に重要な意味を持つ。こうした枠組みの中で提示されたXPOは、次世代の光インターコネクトの一つの方向性として位置付けることができるだろう。
XPOの流れは、2016年のOSFP MSA発足時を想起させるものであり、業界における新たな標準化の動きとして注目される。現時点で見えているのは、その全体像の一部に過ぎないが、従来とは一線を画すプラガブル光モジュールの高密度実装という明確な方向性がMSAとして提示されたこと自体は、AI時代のデータセンタ設計に新たな選択肢が加わったことを意味する。今回の発表は、AIインフラで求められる光インターコネクトの進化が、実装のあり方そのものへと広がりつつあることを示すものといえる。今後の動向が注目される。






