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ノキアが6Gの主要技術の定義および開発において、ドコモおよびNTTと提携

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 ノキアは6月6日、6Gの実現に向け、6Gの主要技術の定義および開発において、ドコモおよび日本電信電話(以下、NTT)と提携することを発表した。
 今回の提携は、AI ネイティブのエアインターフェースと、サブテラヘルツ波の無線アクセスの2つの新しい6G技術に焦点を当てている。AIベースの6Gのエアインターフェースは、従来のエアインターフェースと比較して性能が向上し、高速大容量のビームフォーミング・アクセスは、140GHz の高周波帯域で達成できることを実証目標にしている。

 ノキアとドコモはこれまでも先駆的な研究を共同で行い、新しい無線技術を生み出してきた長い歴史がある。1990年代の3G、それに続く4G、そして5G O-RANといった今日の5Gに至るまで、両社は協業によってアイデアを実現し、新境地を切り開き、エンドユーザに最適な体験を提供してきた。
 ノキアは「今回の発表では、ノキア、ドコモ、NTT が次世代技術の共同開発を引き続き進めていくことをお伝えする。 ノキアは、6G が既存の技術やシステムの上に構築されるだけでなく、ネットワークの能力を拡大し、変革するものになると考えている。それは人間、現実、デジタルのそれぞれの世界を融合させ、私たちに本来備わっている人間の可能性を飛躍させる。これを達成するためには、将来の6Gネットワークで、重要な要素となる主要なテクノロジーが6つあると考えている」という。

 ノキアの指摘する6つのテクノロジーは、新しい周波数帯技術、AI ネイティブなエアインターフェース、センサとしてのネットワーク、極めて優れた接続性、認知的で、自動化され、特殊化された アーキテクチャ、そして、信頼性の高いセキュリティだ。この6つの主要な技術の中で、今回のパートナーシップでは、まず次の2つに注力するという。

  • ミッドバンドにディープラーニングの受信機を搭載した送信機において、AI ベースで学習させた波形のメリットを実証すること
  • サブテラヘルツ波の周波数帯域で高速大容量の屋内通信を試験すること

 これらの技術は、エネルギー消費を必ずしも増加させることなく、各スペクトル帯域で、実装の柔軟性を大幅に改善し、5G 以上の高速大容量通信の可能性を秘めている。視覚や聴覚などの複数のコミュニケーションモードを利用した複合現実のテレプレゼンス、リモート・コラボレーション、マッシブ・ツイン、コラボレーションロボットなど、6G時代の高度で新しいユースケースを実現するためには、高速大容量のアクセスを提供することが重要になってくる。
 ノキアは「日本国内のドコモおよび NTT の施設、ドイツ・シュツットガルトのノキアの施設で、実験や実証のための環境整備を行い、2022 年中に対象となる試験と測定を開始する予定だ」としている。

 ドコモの常務執行役員(CTO)R&D イノベーション本部長である谷直樹氏は「ドコモは、2014 年よりノキアと連携することで、5Gの無線技術検証とともにユースケースの開拓を推進した。今回のノキアとの合意により、6Gコンセプトの実現に向けても連携できることをうれしく思っている。ドコモとNTTは、ノキアと6Gで利用が検討されるサブテラヘルツ帯の無線伝送技術やエアーインターフェースへのAI 技術の活用に関する技術検証を開始するとともに、今後様々な業界のパートナーの皆様とともに6Gの商用化に貢献していく」とコメントを発表している。
 ノキアベル研究所のコア研究部門のプレジデントであるピーター・ベッター氏は「6G は、 デジタルの世界、実際の世界、および人間の世界を横断して人間の体験を統合していくことを想定している。世界をリードするノキアの各研究所は、ドコモ様と長年にわたり協業してきた。常に新世代の製品をいち 早く市場に投入している世界有数の通信事業者であるドコモ様やNTT様と、このような協業関係を結ぶことができたことを大変光栄に思っている。6G ビジョンの実現に向けて、鍵となるコンセプトや技術の検証を協業して進めていきたい」とコメントを出している。

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