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摩耗しにくく、摩耗してもひと目で分かる点検しやすいマンホール鉄蓋デザイン【NTT】

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 NTTは、マンホール鉄蓋の表面模様を抜本的に見直すことにより、材質・製造コストを変えることなく、点検しやすく、かつ耐摩耗性に優れた鉄蓋「テーパーダイア鉄蓋」を開発。つくばフォーラム2017会場ではおすすめ展示としてピックアップされている。2018年より、NTT東西、およびNTTコミュニケーションズにおいて、順次事業導入予定だという。また、10月4日に「2017年度グッドデザイン賞(業務用公共機器・設備)」を受賞した。

模様の配置を工夫することにより耐摩耗性を高め、取り換えまでの期間を延長

 表面のデザインは、従来のT字の突起を密集させたものから、一部に四角形と六角形の異なる形状を二段に配置した構成になっている(図1)。NTTアクセスサービスシステム研究所 所長の小林正樹氏は「従来のデザインでは、溝に入った砂や粉塵などの異物が走行中のタイヤとの摩擦でヤスリのようにマンホールを削ってしまう影響があった。新型鉄蓋ではその対策として、模様の形状と大きさ、配置間隔を最適化することで異物を放射線状に排出する構造になっている。これにより、現行品に対して取替え頻度を約3倍に延伸している」と説明する。

(図1)現行鉄蓋 と テーパーダイア鉄蓋

(図2)二段構成の模様(摩耗前後の変化)


(図3)鉄蓋取り替え判定の効率化を目指しながら、“摩擦しにくい構造の実現と摩擦抵抗確保によるスリップ抑制”という相反する課題を解決するため、多くの試行錯誤と実証実験を繰り返し、最終形状を決定するに至ったという。

 また、摩耗の進行により、マンホールの突起が四角形から六角形に変化する構造になっている(図2)。これにより、従来は高解像度のカメラで撮影して摩耗陰影を数値化して画像データと照合していた作業を、コンパクトカメラで撮影して形状変化を表すスペクトルで画像処理判定をする簡易な方法に移行できる。小林所長は「模様が円形に近くなるほどスリップの危険性が高まるので、すべての模様が六角形に変化するのではなく、最適な数や配置を計算してパターン変化を取り入れた(図3)。これにより、現行鉄蓋を超える耐スリップ安全性を確保している」と話す。

 このテーパ型ダイア鉄蓋は、全国に70万個あるマンホール鉄蓋の維持管理コスト削減、および路上点検作業ゼロ化実現による安全性向上に大きく貢献する開発品だ。外観のデザインだけでなく、技術的な機能美も兼ね備えていることから、今年のグッドデザイン賞を受賞している。

特集目次

小林所長インタビュー
展示会概要
展示会場の見どころ
「テーパーダイア鉄蓋」を開発【NTT】

出展社ピックアップ

アンリツ
Viaviソリューションズ(旧JDSU)
NEC
NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)
FXC
協和エクシオ
三和電気工業
住友電気工業
日本コムシス
原田産業
フジクラ
丸文
三喜
三菱電機
横河計測(旧社名:横河メータ&インスツルメンツ)