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CATVのネットワークサービスやIP映像伝送を支える最新の伝送製品、無線端末、管理ソリューション【シンクレイヤ】

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 シンクレイヤのブースでは、最新の「4K8Kビデオ関連ソリューション」や「ハイスピードデータソリューション」を始め、次世代に向けた同社の新たな開発製品が紹介される。シンクレイヤ 営業企画部 次長 兼 パブリシティ課 課長の高橋誠氏は「今年は注力製品の展示に加え、製品化前の開発品を多く展示する。弊社が考案した機能や使い方をお客様にご紹介して、ご意見やご要望をヒアリングしたい」と話している。
 また、展示内容とリンクしたセミナーとして「シンクレイヤの考える次世代型IP放送システム」と「次世代高速通信へのマイグレーション」の二つが講演されるので、同社が考える次世代システムについて、より理解を深めることができる。

FTTHシステム上にIP放送サービスを追加できる配信システム

 「4K8Kビデオ関連ソリューション」のコーナーでは、新開発の「IP放送バイパス配信(10Gbps IPvideo downstream)システム」が紹介される。これは、一本の光ファイバでIP放送サービスとFTTHサービスを同時に提供できるシステム。お互いのサービスに影響が無いように異なる波長で信号を送受信するので、FTTHシステム上にIP放送サービスを追加してもトラフィック増などの影響は皆無だ。高橋氏は「IPアドレスだけは共有となるが、それ以外は完全に独立した形でIP放送サービスとインターネットサービスを提供できる。万が一、どちらかのサービスで不具合やトラフィックの急増などが発生しても、もう一方のサービスに影響を与えることは無い。ブースでは、お互いのサービスに影響が無いことを実際にご覧いただけるよう、4K映像配信によるデモ展示を実施する」と話している。
同コーナーでは他にも、新開発の「4K対応ハイブリッドSTB」の動作展示や、「4K8K対応高度BSトランスモジュレーター」も紹介される。

伝送距離の延長とコスト低減を実現するリモートOLT

 「ハイスピ―ドデータソリューション」のコーナーでは、PONやDOCSISのソリューションが各種展示される。PONソリューションでは、新開発「G-PON端末」、新開発「メッセンマウント型リモートOLT」、新開発「マルチポート集約型10G-EPON OLT」、「XG(S)-PON OLT」が紹介される。高橋氏は「G-PON端末は弊社の開発品であり、既存の製品と同等の性能をご提供できることをご紹介する」と話している。
 PON製品で注目の「メッセンマウント型リモートOLT」は、従来はセンター内に設置していたOLTを屋外の電柱に設置する方式で、加入者宅までの伝送距離の延長や、光ファイバ心数の大幅な低減を実現する製品だ。高橋氏は「加入者宅への光ファイバはOLT配下の光カプラにより32分岐、64分岐、128分岐と大量に分岐するので、この製品のようにOLT自体を加入者宅側に近づけることで、分岐後に必要な光ファイバの長さを減らすことができる。センターとリモートOLT間の光ファイバ心数は1心か2心で済むので、コストメリットもある」としており、「このOLTユニットは弊社の屋外型アンプと同じケースに組み込んだ形で使うことを想定しており、既に動作検証済みである。距離やコストのメリットを活かして、様々なシーンでご利用いただけることをご紹介する。例えば、加入者数の少ない遠方のエリアでも、この方式ならばサービスを展開しやすい」と話している。

リモートPHYデバイスによるセンターの省スペース化

リモートPHYデバイス

 「ハイスピ―ドデータソリューション」コーナーのDOCSISソリューションでは、新開発の「メッセンマウント型リモートPHYデバイス」が紹介される。これは、CMTSの一部機能を屋外型アンプと同じケースに組み込んで、加入者宅側に近づけて設置するというもの。前述の「メッセンマウント型リモートOLT」とコンセプトの近い方式であり、「メッセンマウント型リモートPHYデバイス」の場合はリモートPHYデバイスから先は同軸信号に切り替わるので、加入者宅側は同軸ケーブルのままサービスを提供できる。高橋氏は「センター内CMTSの機能を一部減らすことで省スペース化を実現きることから、北米で用いられている方式だ。ブースではリモートPHYデバイスを屋外型アンプと同じケースに組み込んだ形でご紹介し、国内CATV事業者様のニーズをヒアリングしたい」と話している。
 DOCSISソリューションでは他にも「E6000 CER」、「CMC(ケーブルメディアコンバータ)」、「DOCSIS3.1対応ケーブルモデム」が紹介される。

LoRaWAN対応V-ONUによる災害対策

シンクレイヤが展示をするCNR改善型低受光光端末器「SOR-807R(04 0C)」

 「FTTH/HFC伝送路システム」コーナーでは、新開発「広帯域対応EA・低消費電力型アドバンスHFCシステム(光ノード、TBA、MB)」、新開発「LoRaWAN対応V-ONU(参考出展)」、「3U/1U光サブラック」、「光冗長システム」、「棟内型光ノード」、「光端末器」が紹介される。
 「LoRaWAN対応V-ONU」は、V-ONUの光レベル、RFレベル、電圧レベル、内部温度といった情報をLoRaWANで管理できる製品。高橋氏は「ブースではデモ展示を行い、実際の管理画面をお見せする。LPWA(Low Power Wide Area)でV-ONUを管理することで、例えば災害時に光ファイバの死活状況を把握するなど、防災で役立てるようなコンセプトでご紹介する。我々が想定していない使い方や、ONU以外での利用などのご意見を頂ければと思っている」と話す。

対応ユニットが豊富な省スペース光サブラック

3U光サブラック「SFHS-7300」

 3U光サブラック「SFHS-7300」は、同社従来品の5Hラックに対して体積を49%ダウンした高密度実装で定評のある製品。多様なユニットを実装でき、HFC、FTTHの両方に対応できる。例えば、現行のHFCをFiber Deep化した後に、同じサブラックシャーシでFTTH化することができる。高橋氏は伝送路の市場動向について「弊社の出荷品目を見ても、FTTH化の流れが如実に分かる状況だ。特に10GのOLTが増えており、従来の主流だったGE-PONやG-PONのOLTを既に越えている。10GのOLTはサービスに先行して導入されている状況であり、現段階での加入者側端末は10Gではなく、少しずつ置き換わっていく流れだ。今後、端末の価格が市場の要求に近づけば、その動きが進むだろう。ただ、FTTH化の流れとは言え、光化に完全に切り替えるというCATV事業者様ばかりではないので、こうした光機器が順調である一方で、同軸アンプの改修といったお話は引き続き頂いている」と話す。
 「SFHS-7300」は電源、伝送路、励起光源の冗長構成が可能だ。高度できめ細かな監視機能も備わっている。対応ユニットの主なラインナップは次の通り。

  • 光増幅ユニット(2,4,8port)
  • 1×2光スイッチ
  • 8+1光スイッチ
  • 光送信ユニット(1310nm、1GHz)
  • 光送信ユニット(1550nm、1GHz)
  • 光送信ユニット(1550nm、2.6GHz)
  • 光送信ユニット(1550nm、3.2GHz)※近日発売
  • 光受信ユニット
  • 光送受信ユニット

地域BWAの帯域もカバーしたLTEバックホール対応Wi-Fiアクセスポイント

LTEバックホール対応Wi-Fiアクセスポイント

 「Wi-Fiソリューション」コーナーでは、EthernetだけでなくLTEも上位回線として使用できるアクセスポイントが紹介される。高橋氏は「SIMカードにより2回線のLTEに対応することができる製品で、3キャリアの認証および動作検証は済んでいる。2枚のSIMカードを挿すことができるので、異なるキャリアでの冗長構成を組むことも可能だ。また、実際に地域BWAのサービスで使用されているSIMカードを挿しての動作確認も済んでいる」と話している。

CATV事業者の地域BWA用システムとして採用された「コンパクトLTEシステム」

 ブースでは、日本無線の「コンパクトLTEシステム」も紹介される。このシステムは各事業者が自局内に専用のLTEコアを持つことが可能であるため、一般的な全国共同利用型LTEコア方式よりも災害に強く秘匿性が高いシステムを構築することができる。また、コア装置と無線基地局間は無線によるIP接続が可能なので、距離や設置場所の制約が無い。高橋氏は「既に国内CATV事業者様に導入されているシステムであり、運用も開始されている」と話す。

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