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光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー:谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】

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■コースリーダー
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)谷口 和彦

■講演タイトル
FOE-9
空間分割多重光伝送技術の最新動向と今後の展開

■講演者
(株)KDDI総合研究所
執行役員 先端技術研究所 光部門長
釣谷 剛宏

富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
代表取締役社長
谷口 和彦氏

 光ファイバの容量限界を打破する方法として、マルチコアファイバによる空間分割多重光伝送が注目されている。講演では、空間分割多重技術のこれまでの研究開発の動向、見えてきた課題、これからの展望について解説される。谷口氏は「マルチコアファイバと空間分割多重技術について、基礎と応用に分けて解説する」と話している。

 登壇する釣谷氏はKDDI総合研究所で長距離光伝送システム、光ネットワーク制御、空間分割多重光ファイバ伝送技術に関する研究開発に従事しており、電子情報通信学会(IEICE)フェロー、IEEEシニア会員、Optica会員でもある。
 KDDI総合研究所は今年3月に、マルチコアファイバによる光海底ケーブルの大容量化を実現する基盤技術を世界に先駆けて発表しているので、釣谷氏からはその詳細も聴くことができそうだ。
(当サイト内関連記事)

 谷口氏は「マルチコアファイバをデータセンタでも適用する検討も顕著になってきているので、もう少しで実用化の領域に踏み出すと期待している。講演では、海底とデータセンタにおける展望もお話しいただけるだろう」としており、「一般的に、従来とは異なる新技術というのは、運用や適用に至るまでは懐疑的な論調ありきになってしまう。だが、何か一つの実用的なブレイクスルーが生まれると一気に広まるので、マルチコアファイバもその段階に来ているのではないか」と話している。

■講演タイトル
FOE-12
光とASIC(特定用途向け集積回路)のコパッケージへの挑戦

■講演者
Ranovus Inc.
CTO Office,Director,
Jeff Hutchins

 ASICと光デバイスを統合し実装するコパッケージが高い関心を集めている。講演では、データセンタ向けの様々なパッケージングアプリケーション、および関連する市場ドライバが解説される。
 谷口氏は「コパッケージはIOWN構想の中でも最も重要な要素だと考えている。コパッケージのマーケティングのタイミングとしては2025年くらいと予測しており、必要に迫られながらも様々な方式が議論されているのが今の段階だ。今回の講演ではコパッケージの最新動向を整理するため、この分野で最も先進的な発信をしている人物であるRanovus のJeff氏に講演を依頼した」と話す。

 登壇するJeff Hutchins氏は、Ranovusでシリコンフォトニクスを活用した次世代オプティカルインターコネクトソリューションに携わっている人物だ。 OIFのPLLコパッケージWGの議長も務め、複数の標準規格を執筆。また、Cisco、Intel、HPにおける勤務経験もある。
 谷口氏は「コパッケージでは、レーザを内部に集積するか外付けにするか等、放熱や電気特性の兼ね合で最適解がどの辺にあるのかについて、ニアパッケージも含め様々な議論がある。ファクターとしては、時間軸、性能、コストがあり、どの方式も一長一短というのが否めない状況だ。もしかしたら、コパッケージ ライクなものが広まってしまう恐れもあるので、注視している。今回の講演ではこうした点も含め、OIFで標準化をリードしているJeff氏からコパッケージの最近のトレンドを紹介していただく」と話している。

 また、谷口氏は「光通信技術展は、今回ご紹介したJeff氏の講演を含め、欧米や中国の情報、キーパーソン、製品が日本に集まる場だ。今年2月に顕著になったように、世界は分断されていく方向に今ある。そうした中で世界中の人々が対話をするためのコミュニケーションツール、その基盤になる光通信を世界の隅々まで張り巡らせることは大切なことだと私は思っている。先行きの見えない分断化が進んでいる世界にあるからこそ、光通信技術が集まる本展にご来場いただければと思う」と話している。

特集目次

「通信・放送Week 2022」開催直前 主催者インタビュー

■光通信技術展 専門技術セミナー委員インタビュー

中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】
FOE-K IOWN構想の実現に向けて

土井 健嗣氏【日本電気】
FOE-1 光トランシーバーの最新動向と新冷戦による影響
FOE-13 クライアント側高速光トランシーバの動向、データレートとフォームファクタの進化

石部 和彦氏【アンリツ】
FOE-2 Siフォトニクス(トランシーバ技術)アイオーコア社の最新技術動向
FOE-6 ハイパースケールDC向け800Gbps/1.6Tbps光トランシーバの標準化・技術動向

清水 克宏氏【三菱電機】
FOE-3 Beyond 5G/6G時代の超拡張性を実現する光衛星通信
FOE-5 コヒーレント光センサ技術の応用例と今後の展望

鈴木 貴智氏【キーサイト・テクノロジー】
FOE-4 プラガブル光トランシーバ測定の基礎

佐藤 良明氏【NTTエレクトロニクス】
FOE-7 Telecom Infra Project ~オープンかつディスアグリゲートされた、持続可能なトランスポートネットワークの構築~

笹岡 英資氏【住友電気工業】
FOE-8 伝送用光ファイバの基礎と将来展望

谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】
FOE-9 空間分割多重光伝送技術の最新動向と今後の展開
FOE-12 光とASIC(特定用途向け集積回路)のコパッケージへの挑戦

太田 寿彦氏【古河電気工業】
FOE-10 海底光ケーブルシステムの大容量化に向けた技術動向
FOE-14 化合物半導体/シリコン異種材料集積技術を用いた光集積回路

和田 悟氏【フジクラ】
FOE-11 IOWN構想実現に向けた光ファイバ技術への期待と今後の展望

岡安 雅信氏【華為技術日本】
FOE-15 Beyond 400Gコヒーレント光トランシーバの市場・技術動向

■「通信・放送Week 2022」出展製品Preview

アダマンド並木精密宝石
NICT採択の自己形成導波路など紹介

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)
ネットワーク保守、インフラ設備保全、光コネクタ製造を幅広く展示

キーサイト・テクノロジー
120 GbaudのBERTや、超高速デジタルコヒーレント光伝送評価のAWG

精工技研
作業効率の良い同社オリジナルのLCユニブーツコネクタや、機能が追加された光コネクタ研磨機

センコーアドバンス
高密度型SN-MTコネクタを用いた400G伝送ライブデモ

光貿易
超高速RFモジュール製作請負サービスや、他の追随を許さぬ超高分解能OSA

横河計測
多心ファイバ測定に優れたOTDRや、高分解能と高速測定を両立したOSA