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「通信・放送Week 2022」出展製品Preview【精工技研】

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作業効率の良い同社オリジナルのLCユニブーツコネクタや、機能が追加された光コネクタ研磨機

挿抜や極性変換が容易な独自機構のLC ユニブーツコネクタ

 LCユニブーツコネクタに同社独自の機構を採用した「Intelli-Cross ®Pro」は、コネクタ極性の左右切替が容易で、特殊な工具も必要ない製品。PC研磨、APC研磨に適応している。また、スリムでフラットなコネクタデザインによる超高密度装着を実現。φ2mm、3mmケーブルにも対応。
 「発売して一年以上が経ち、北米を中心に欧州や日本でも実績、お引き合いが増えている。シリーズ累積の販売台数は約300万個と、今後も期待している製品だ。需要の傾向としては、海外はコネクタ単品販売を中心にOM4やOM5用途も増加している。国内需要では比較的にパッチコード需要が多く、これまで2本だったケーブルが1本で済むことで配線が50%削減できる点や、独自機構により挿抜や極性変換が簡単である点が特にご評価いただいている」(同社)。配線の省スペース化や整線の容易さはサーバラックのエアフローにも寄与するので、高密度実装の通信設備におけるCO2排出量削減にも期待できる。
 挿抜は高密度実装時を想定した機構となっており、コネクタの左右スペースが塞がっている場合は上部ラッチで抜く、上下が塞がっている場合は側面グリップで抜くことができる。また、上下左右が塞がっている場合でも、オプションツールのタブを取り付けることで容易に挿抜できる。
 極性変換は、コネクタ内部にギアを組み込んだことで変換動作をシンプル化している。これは1つのプラグを回転させると、もう片方のプラグも“連動して同方向に回転”をするので、コネクタを分解することなく変換が完了する。この製品の極性変換は僅か数秒ほどで済むので、従来製品と比べて作業時間の大幅な短縮になる。

「Intelli-Cross ®Pro」を高密度に実装した様子。突起を省いたデザインにより、整然とした美しい外観、かつホコリの溜まりにくい構造となっている。

繊細な加圧調整を実現した光コネクタ研磨機

 量産用研磨機「SFP-560Aシリーズ」は、固定された研磨ホルダに対して平行度を保ちつつ、ターンテーブルより繊細に加圧を行う「DPC圧力制御技術」(DPCモード)を搭載している。同モードの繊細な加圧調整により、多心MTフェルールも、単心コネクタと同様の感覚で接着剤除去から研磨を行うことができる。また、大外径で固いケーブルの研磨に於いても、研磨治具が高荷重の4点ポストで固定されることにより、ケーブルの応力の影響を受けずに安定した研磨が行うことができる。
 新モデルの一つである「SFP-560A2C」はオートクランプ方式を採用し、更なる自動化を実現。また、ユーザの要望を反映して下記の機能を追加した「SFP-560A2C-SP1」もラインアップに加わった。

  • 研磨フィルムなど消耗品情報が入力できる。
  • 各工程ごとに加圧ランプアップ、スピードランプアップと高さ固定モードが選択できる。
  • ターンテーブルの回転スピードの可変範囲が10~200rpmに拡大。

DEEP LEARNING採用の光コネクタ端面顕微鏡

 DATA PIXEL社の「DSCOPE」は光コネクタ端面を高速リアルタイムで自動検査できる量産用の光ファイバ端面顕微鏡。多心コネクタ量産用の「DSCOPE-MT」もあり、最大64心までの多心コネクタの端面を高速(12心/24心は約5秒)で自動検査できる。両モデルとも国際規格に基づいた自動検査が可能だ( IEC 61300-3-35対応)。
 従来の自動検査の課題として、不適格なものが合格しないよう合否基準が厳しく、実用に耐えうる製品も不合格になるケースがあった。そこで同製品ではAI/DEEP LEARNING(深層学習)で最適化されたソフトウェアを採用することで判定の精度を高めているので、ユーザは本来の歩留まりに向けた改善ができる。判定基準の学習はメーカ側が実施・精査して配信するので、ユーザPC内で勝手に学習して判定基準に影響を与えることは無い。このソフトウェアは無償で付属。学習済みの事例は、飽和した明るいコア、部分的に満たされたクラッド、曲げに強いファイバクラッドなど。

高精度オートキャリブレーションの端面検査・端面形状測定器

 DATA PIXEL社の端面検査・端面形状測定器「DAISI-V3」は、光コネクタ端面の傷汚れの検査と、三次元の形状測定を同時に実施できる。高精度のオートキャリブレーション、オートフォーカスによる使い勝手の良さと再現性の高さが特長だ。オプションでDSCOPEと同等の解像度の端面の傷、汚れの検査機能追加も可能(前述のAI/DEEP LEARNING対応)。

5G:28GHz帯の光電界センサ

 5G:28GHz帯に特化した光電界センサは、電気光学効果を利用した非金属製センサヘッドによって測定機とグラウンドを分離した正確な電界測定を実現。等電界平面の分布確認やアンテナ評価、データ伝送なども可能だ。

GNSS光伝送ユニット

 GNSS信号を光伝送するという新しいコンセプトの光伝送装置は、同軸ケーブルを必要としないため、特別な工事を伴うことなく既設の光ファイバでGNSS信号を伝送できる。

特集目次

「通信・放送Week 2022」開催直前 主催者インタビュー
最新製品と将来技術を知る展示会

■光通信技術展 専門技術セミナー委員インタビュー

中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】
FOE-K IOWN構想の実現に向けて

土井 健嗣氏【日本電気】
FOE-1 光トランシーバーの最新動向と新冷戦による影響
FOE-13 クライアント側高速光トランシーバの動向、データレートとフォームファクタの進化

石部 和彦氏【アンリツ】
FOE-2 Siフォトニクス(トランシーバ技術)アイオーコア社の最新技術動向
FOE-6 ハイパースケールDC向け800Gbps/1.6Tbps光トランシーバの標準化・技術動向

清水 克宏氏【三菱電機】
FOE-3 Beyond 5G/6G時代の超拡張性を実現する光衛星通信
FOE-5 コヒーレント光センサ技術の応用例と今後の展望

鈴木 貴智氏【キーサイト・テクノロジー】
FOE-4 プラガブル光トランシーバ測定の基礎

佐藤 良明氏【NTTエレクトロニクス】
FOE-7 Telecom Infra Project ~オープンかつディスアグリゲートされた、持続可能なトランスポートネットワークの構築~

笹岡 英資氏【住友電気工業】
FOE-8 伝送用光ファイバの基礎と将来展望

谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】
FOE-9 空間分割多重光伝送技術の最新動向と今後の展開
FOE-12 光とASIC(特定用途向け集積回路)のコパッケージへの挑戦

太田 寿彦氏【古河電気工業】
FOE-10 海底光ケーブルシステムの大容量化に向けた技術動向
FOE-14 化合物半導体/シリコン異種材料集積技術を用いた光集積回路

和田 悟氏【フジクラ】
FOE-11 IOWN構想実現に向けた光ファイバ技術への期待と今後の展望

岡安 雅信氏【華為技術日本】
FOE-15 Beyond 400Gコヒーレント光トランシーバの市場・技術動向

■「通信・放送Week 2022」出展製品Preview

アダマンド並木精密宝石
NICT採択の自己形成導波路など紹介

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)
ネットワーク保守、インフラ設備保全、光コネクタ製造を幅広く展示

キーサイト・テクノロジー
120 GbaudのBERTや、超高速デジタルコヒーレント光伝送評価のAWG

精工技研
作業効率の良い同社オリジナルのLCユニブーツコネクタや、機能が追加された光コネクタ研磨機

センコーアドバンス
高密度型SN-MTコネクタを用いた400G伝送ライブデモ

光貿易
超高速RFモジュール製作請負サービスや、他の追随を許さぬ超高分解能OSA

横河計測
多心ファイバ測定に優れたOTDRや、高分解能と高速測定を両立したOSA