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ケーブル技術ショー2017Preview【三菱電機】

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 三菱電機は50社以上のCATV事業者にGE-PONシステムを提供しており、品質の高さが評価されている。今回は、大容量通信サービスや4K/8K IP放送に対応したGE-PONシステムとして10G-EPONを中心に展示する。10Gbpsと2GbpsのONUを組み合わせた構成での実績が増えているという。

 また、総合電機メーカーである同社は放送、通信サービス以外のアプリケーションも豊富に扱っており、今回はその中からCATV事業者に役立つものとしてネットワークカメラシステムやデジタルサイネージシステムをピックアップして展示する。

2G端末との組み合わせで実績を伸ばす10G-EPON

 トラフィック量増大への対応やサービス向上、充実に役立つシステムとして10G-EPONを提案している。昨年は参考展示だったが、今年5月より出荷開始した商用機が展示される。CATV市場からの反響について三菱電機 通信システム事業部長の西山正人氏は「10Gシステムの導入実績としては既に数社あり、我々は今年度、来年度を需要時期と捉えている。オリンピックに向かい4K・8Kの話が進んでいることから、今のタイミングで更新するのであれば将来的なIP化に備えたインフラとして10G-EPONの導入を検討されるCATV事業者様が増えている」と説明している。
 三菱電機の10G-EPON OLT「AS-10GGLS」の特長は次の3点。

4UのOLT筐体に最大32PONインターフェースとL2スイッチを搭載した省スペース設計

 4Uサイズの筐体に32ポートを備え、L2スイッチも内蔵した省スペース化を実現。同社の1GE-PON OLTも4Uサイズ32ポートであり、10Gに移行する場合は同じスペースに設置し、配線されているケーブルを差し替えるだけで済ますことができる。また、同社の1GE-PON OLTは64分岐だったが、10G-EPON OLTは128分岐が可能である。
 三菱電機 通信システムエンジニアリングセンター ネットワークシステム部 第三グループ CATV担当マネージャーの石野義行氏は「HFCや1GE-PONを更新されるCATV事業者様に対し10G-EPONをご提案している。OLTの買い替えはコストや手間が掛かるので、トラフィックが増加し続けている現状や、10Gという帯域の必要性を記した総務省や日本ケーブルラボ様の報告をご覧になっているCATV事業者様は、10年先も使うことも見据えて10G-EPONに興味を持たれている」としており、「FTTH化は工事のボリュームがあり大変だが、CATV事業者様からは運用が楽になったというご感想を頂いているので、積極的にご提案している」と説明している。

2GのONUや1GのONUも収容可能

 2Gもしくは1GのONUを10GのONUと混在して収容することができる。三菱電機 通信システム事業部 キャリア営業部 第三課 課長の山田洋氏は「2Gと組み合わせた形でご提案するケースが多くなっている。また、既に当社製GE-PONをご導入頂いている場合には、センター関連装置のみ10G機器に入れ替えるなど、CATV事業者様が柔軟に移行・運用できるようご提案している」と話している。

IP放送やOTT、VOD等のリッチコンテンツへの対応も向上

 L2スイッチを内蔵しており、冗長性/信頼性が格段に向上している。従来は一部が冗長化されておらず活線挿抜で復旧していたが、今回は上位のアップリンクは全て冗長化し、ロードバランスもとる形となっている。こうした高性能QoSにより、IP放送やOTT、VOD等のリッチコンテンツへの対応も現行の製品より向上する。

10G-EPON OLT「AS-10GGLS」(左)/ONU「AS-10GGNS-3WT」(右)

 

高精度な映像監視を実現するネットワークカメラシステム

 三菱電機のネットワークカメラシステム「MELOOK 3」は、鮮明な画質と簡単な設置で高い評価を得た前モデルの特長を継承しつつ、基本機能や拡張性をさらに強化している。
 西山氏は「我々は防犯や防災用途で様々な導入実績があるので、そのノウハウをCATV事業者様にご提供し、地域密着型サービスのお役に立てればと考えている」と話す。
 16分割表示時でも毎秒30コマ(30fps)のなめらかな動画により、確認したい瞬間を鮮明に記録できる。防災用途で河川を監視する場合、例えば水位の上昇が閾値を超えると自動的にアラームが鳴るというシステムも可能だ。
 既存のアナログカメラ・システム用同軸ケーブルを流用できるので、カメラとレコーダーを取り替えるだけで、高画質・高性能なデジタルシステムに移行できる。これにより工期短縮・低コストで、規模を選ばず監視システムのデジタル化を実現。ビル・マンション、流通店舗など様々なシーンで簡単にデジタル化できる。カメラ接続台数は最大16台で、同軸カメラ8台、LANケーブルカメラ8台。石野氏は「FTTH化でサブセンタが増えるので、そうした自前の設備の監視でお使い頂くケースもある。CATV事業者様は回線自体を豊富にお持ちなので、このシステムを導入頂きやすい」と話す。

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