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Edgioの経営戦略と、今月リリース予定のエッジ対応Applications Platform【2:新製品「Edgio Applications Platform v7」の特長】

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Edgioのロードマップ。

「Edgio Applications v7」を新たにリリース

 EdgioのChief Marketing and Strategy OfficerであるNancy Maluso氏からは今月リリース予定の「Edgio Applications Platform v7」の詳細について解説された。
(4月12日追記:当サイト内関連記事「Edgio Application Platform 7.0の提供を発表」)

Edgio
Chief Marketing and Strategy Officer
Nancy Maluso氏

 Maluso氏は「まず、パフォーマンスエンジンに注目して欲しい。Web、そしてモバイルアプリケーションをサポートするためのネットワーク機能を強化した。これは、開発者の方が作られたファンクションをエッジに搭載することができるよう、我々のCDNソフトウェアでのエンコーディングがされている」としており、「また、ウェブサイトのパフォーマンスを上げるために必要となる、様々なエッジ ファンクションも用意している。例えば、ウェブサイトに来ているユーザが次に何を観たいのかを予測して、予測型のプリフェッチを行うことでパフォーマンスをさらに上げ、ユーザは見たいものをすぐに見ることができる仕組みを備えている」と説明する。

「Edgio Applications Platform v7」の特長。

 CDNに関しては、このフルスタックでの環境でのサポートもできる、また、オブザーバビリティも提供できるので、ユーザは自身のウェブサイトの状況を詳細に把握できる。
 そして、前述のLyons氏の指摘のように、多くの企業がウェブサイトのスピード感に満足していないことから、「Edgio Applications Platform v7」はSitesの機能でそれに対応するという。Maluso氏は「例えば、40種類以上のJamstackフレームワークを統合している。また、ブランチプレビューという機能により、例えば開発者の方が何かコードに変更を加えた場合、その変更のインパクトがどういうものなのか、そしてネットワークの状況を意識したパフォーマンス状況の確認も併せながら開発を進めていける」と説明している。

単一のUIで「Edgio Applications Platform v7」の全ての情報を管理・運用

 「Edgio Applications Platform v7」では、ユーザはEdgioの環境の中で、設計用の環境、開発用の環境、テスト用の環境、本番環境をシームレスに活用できる。Maluso氏は「加えてセキュリティ面では、Bot対策、DDoS対策、WAFといった昨今のセキュリティ製品をプラットフォーム上に統合することができたので、今までのパラダイムを変えることができたと考えている。これによりセキュリティオペレーションチームは、ウェブサイト全体の状況を把握しながらセキュリティを守っていく仕事ができるようになっている」としており、「ユーザはこれらの複数の環境を単一のUIで操作できるので、開発チーム、運用チーム、セキュリティオペレーションチームが共通のUIで様々な段階の作業を進めていくことができる。例えば、新たなコード作成や、コードの変更、セキュリティ変更をする際に、各チームでパフォーマンスを確認しながら開発を進めていける。これは、本番環境でどういうパフォーマンスになるのかの経過を確認する作業を割愛することにも繋がる」と説明している。

「Edgio Applications v7」の管理画面。Maluso氏は「例えば、オペレーションチームは他のチームが変更した後、同じUIでトラフィック、キャッシング、ウェブサイト アプリケーションの状況を、コアウェブバイタルに即した形で確認していくことができる」としており、「我々のゴールとして、いかにCTO、またCTO直属のチームの方々が仕事をし易くなるかをめざしている。そういった面でも、全体像を単一なビューで把握することは重要になる」との見解を示している。

 Maluso氏は、管理画面の特長を次のようにまとめている。
● 新しいウェブUI。ホストネームやオリジン、ルール等の情報閲覧
● 機能フラッグ/リリース管理
● エッジオの”Functions as a Service (FaaS)”
● Edge Insight
● パートナー向け専用機能の強化
● エラー管理との統合
● 統合されたワークフロー: 開発、テスト、セキュリティ、デプロイ

強化されたセキュリティ機能

 Lyons氏が前述した通り、Edgioは有力企業の買収を重ねており、これはセキュリティ機能の強化にも繋がっている。Maluso氏は「我々は、マシンラーニングをベースにしたセキュリティ機能の強化という方向性を持っている」と話している。
 ここからは、Edgioの最新のセキュリティ能力という観点から、「Edgio Applications Platform v7」を見ていきたい。

「Edgio Applications Platform v7」のセキュリティ概要。

 「Edgio Applications Platform v7」のセキュリティは、前述の通りBot対策、DDoS対策、WAFといった昨今のセキュリティ製品をプラットフォーム上に統合しており、非常に包括的なソリューションになっている。ネットワーク領域ではPCI DSS レベル1で275+ Tbpsを保護、そしてDDoS攻撃からの防御はDNSサーバやオリジンシールドにも施されている。また、DDoSスクラビングという新機能も備わっており、本番環境のパフォーマンスに支障が出ないよう、DDoS攻撃を受けている部分のみをスクラビングできるという。
 Maluso氏は「layer1のセキュリティ、そしてlayer3およびlayer4のセキュリティ、さらにはlayer7のセキュリティ機能も持っている。特に注目いただきたいのが、Bot管理の高度な機能だ。昨年の11月、非常に大きなスポーツイベントにおいて弊社のソリューションと他社のソリューション、つまり2社のソリューションによるセキュリティ対策が行われた。その際に、チケットシステムが非常に膨大な数の攻撃を受けたのだが、Edgioのソリューションはパフォーマンスを良い状態に保つことができたとクライアントが判断し、トラフィックをEdgio側に回すという処理がなされた」としており、「また、アドバンスドBotマネジメントという機能も用意した。もともとはベータ版を5社くらいのお客様にお使いいただくトライアルを考えていたが、ご案内したところ50社のお客様にご参加いただき、好評を博したのでリリース時期を早めた」と説明している。

 セキュリティ能力の比較という点では、ユーザがEdgioのセキュリティソリューションを導入する際に、既に他社のセキュリティソリューションが入っているケースが多いという。Maluso氏は「お客様の環境に一定の間、既存のセキュリティベンダのソリューションとEdgioのソリューションの二つが入っている状態になるが、これの良い所は二点あり、まず、Edgioのソリューションが入ったことで、今までのソリューションと比較してどれだけセキュリティ全体を向上させることができたのかというbefore・afterの比較ができる。もう一点は、併存している期間にEdgioのソリューションがマシンラーニングをすることで、速やかにお客様の環境を学習するチャンスになる」と説明している。

『Edgio Applications Platform v7』が生み出すメリット。

 Maluso氏は「Edgio Applications Platform v7」の要点について「開発速度を二倍に加速することができる。ウェブサイトのグローバル規模での実行も一秒以下で実現し、侵害からお客様のアプリケーションを保護するという機能もある。また、マイクロサービスへと進化していくことの追い風にもなっていく。Edgio Application Platform 7.0は、こういった様々な機能を持ったエッジアプリケーションだ。セキュリティの専門家集団によるSoCも24時間365日でご提供している」とまとめた。

レポート目次

1:Edgioの現状と、エッジ利用によるビジネス価値の創造

2:新製品「Edgio Applications Platform v7」の特長

3:日本市場の事業戦略

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