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つくばフォーラム2022開催記念「NTT AS研 青柳所長インタビュー」【1】

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 アクセスネットワークに関するサービス、システムの総合シンポジウム「つくばフォーラム2022」(主催:NTT。共催:ITEA、通信電線線材協会、全通協。後援:NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTインフラネット)が5月18、19日の日程で開催される。
 会場はNTT筑波研究開発センタ構内でリアル開催され、講演・技術交流サロンはオンラインでも配信される予定だ。
 今年のテーマは『社会の変革に向けたアクセスネットワークの新たなチャレンジ』。NTTアクセスサービスシステム研究所(以下、AS研)の青柳雄二所長は「新たなチャレンジというのは、NTTの既設の通信インフラや運用ノウハウ等を通信以外で活用して付加価値を創造することへの取り組みであり、AS研の研究方針として新たに加わった柱でもある」と説明している。
 基調講演は2件を予定しており、NTTドコモ 常務執行役員(CTO)R&Dイノベーション本部長の谷直樹氏による『Wellbeingな社会の実現に向けて』、東日本電信電話 執行役員 ネットワーク事業推進本部副本部長 サービス運営部長の池田敬氏による『地域活性化に貢献するサービス運営に向けて』となる。なお、今回は感染症対策の一環として講演会場の一般入場を取りやめており、展示会場であるNTT筑波研究開発センタ構内でのリモート視聴が可能となっている。
 今回のインタビューでは同展の開催に先駆け、青柳所長から将来のアクセスネットワークの実現に向けた研究所の取り組みを説明していただき、その成果である、つくばフォーラムでの研究所展示について解説していただいた。
(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

ミッションや研究開発の方向性、今年の展示概要

NTTアクセスサービスシステム研究所
青柳雄二所長
※本インタビューは、AS研様のご協力の元、感染症対策を徹底して実施しました(OPTCOM)

 これまでのNTT研究所の体制は、各研究所の取り組みを分野で分けており、研究から実用化開発まで一貫していた。そして、2021年7月に組織が変更され、研究への集中や、実用化開発の加速などを目的とし、これまで分野で一貫していた研究と開発を分ける体制へと変更された。これによりAS研は研究に集中し、実用化開発はNTTネットワークイノベーションセンタ(NIC)が担うことになった。
 新たな体制の中、AS研はミッションとして『最先端のアクセスネットワーク技術の研究開発によりサービスを創造し支え続けナチュラルでスマートな社会を実現』を掲げている。青柳所長は「AS研は最先端のアクセスネットワーク技術に注力することになったので、実用化を意識した研究開発によりサービスを創造し、支え続ける。ナチュラルでスマートな社会を実現するための研究であれば、幅広く取り組んでいく」と話している。

研究開発の方向性

 AS研は2021年、IOWN構想の具現化によるナチュラルでスマートな社会の実現のために研究開発の方向性を整理し、『エクストリームな要件に応え・サービスの多様化を支える研究開発』『運用を抜本的にスマート化する研究開発』『新ビジネス領域へのアセットを活用した研究開発』の三つの方針を定めている。
 方針の最初の二つは、従来の研究の純粋な進化である、大容量、高品質、低遅延、そして設備維持の効率化となる。一方で、三番目の『新ビジネス領域へのアセットを活用した研究開発』は従来とは一線を画す方針であり、青柳所長は「NTTグループの収益は通信サービス以外の部分も増えている傾向にあることから、新ビジネス領域に向けた研究も方針に加えた。ここで言うアセットは、我々が研究してきたNTTグループの既設ネットワークインフラを示しており、事業会社が面的に展開している光ケーブルや局舎、これまで培ってきた設備運用技術を活用する形での、通信サービス以外のビジネスを創造していく研究を強化する」と説明している。
 この三つの方針を実現するための最先端の要素技術として、
・アクセスシステム技術
・オプティカルファイバアクセス技術
・ワイヤレスアクセス技術
・インフラストラクチャ技術
・オペレーション技術
が挙げられており、これらを組み合わせることで三つの方針に取り組んでいくという。

NTT研究所の展示概要

研究開発の方向性。

 今回、NTT研究所による展示数は57。
研究開発方針:1展示
サービスの高度化・多様化を支える技術:31展示
運用を抜本的にスマート化する技術:14展示
新ビジネス領域を開拓する技術:11展示
 本記事では、その中でも特に注目されている技術をピックアップする。

インタビュー目次

1:ミッションや研究開発の方向性、今年の展示
2:『サービスの高度化・多様化を支える技術』(前編)
3:『サービスの高度化・多様化を支える技術』(後編)
4:『運用を抜本的にスマート化する技術』『新ビジネス領域を開拓する技術』
5:技術交流サロン、ワークショップ

■出展企業ピックアップ目次■

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